秋田で外せない観光スポットを厳選してご紹介。
秋田を代表する3つの見どころをピックアップ!
・世界一深い湖「田沢湖」:水深423.4m、日本一を誇る透明度の湖水が神秘的です。
・伝統の「竿燈まつり」:毎年8月3日〜6日、約2,700本の竹竿に提灯を灯し、
郷土の豊作祈願が夜空を彩ります。
・秘湯「乳頭温泉郷」:7つの湯宿が点在し、
江戸時代から続く自然湧出の温泉で湯めぐりが楽しめます。
「みちのくの小京都」と称される、江戸時代の武家屋敷が並ぶ歴史的町並み。
かつて80余の家臣が暮らした豪壮な屋敷群!
武家屋敷通りには江戸期、約80家の家臣が広大な屋敷を構えていました。大きな庭園や黒板塀は、当時の格式と力を物語ります。
戦火も一蹴、住民の尽力で命脈を保つ
幕末の戊辰戦争や明治期の大火の際、住民総出で鎮火と復元に奔走。おかげで400年以上前の屋敷が今も現役で残っています。
京から届いた雅、しだれ桜の嫁入り話
春を彩る約400本のしだれ桜は、京都から嫁いできた姫が持参した苗木に由来。「雅」を武家町に持ち込んだ文化交流の証です。
日本で最も深い湖(深度423.4m)。瑠璃色の湖面が神秘的な「日本百景」。
深度423.4m、日本一の誇り!
水深423.4mは日本の湖で断トツ。底なしの深淵が映す空の青は、一度見ると忘れられません。
幻の魚「クニマス」を絶滅に追いやった酸性湖水
戦前、発電用に強酸性の水を導入した影響で、ここにしかいなかった固有種クニマスが湖から姿を消しました。
永遠の美を願った娘、たつこ姫の伝説
美貌を求めて水鏡に映り続けた姫・たつこが龍に変身し、湖を守る主になったと伝わります。
像は全部で3体!パワースポット巡りも
湖畔の黄金像のほか、東岸の「たつこ観音」、五所列神社の「たつこ姫像」も美肌祈願スポットとして人気です。
断崖絶壁の景観と、ユネスコ登録の伝統行事「なまはげ」を体感できる文化拠点。
88 集落の百面相、面の多様性に驚愕!
男鹿市内88地区それぞれの集落で独自デザインの面と衣装を使い、地域の歴史を映し出します。
怠け者を戒める“愛のムチ”
顔を赤く塗った雄鬼、青い女鬼にはそれぞれ意味があり、怠惰や悪習を退治する“応援役”でもあるのです。
999段の石段は鬼の仕業?
「五社堂」への石段999段は、なまはげ(鬼)が一夜で築いたという伝承。今も階段を上ると鬼気迫る絶景が待ち受けます。
秘湯の名にふさわしい、七つの湯宿が点在する山懐の温泉郷。
7軒それぞれ源泉が異なる“湯めぐり天国”
鶴の湯、妙乃湯、蟹場など7宿で10種類以上の泉質が楽しめる「泉質デパート」。
350年超の歴史、山奥に灯る湯治文化
江戸期から続く湯治場で、湯治客を癒やす鄙びた風情と地元に愛される効能から“東北の秘湯王”と称されます。
湖と渓流の狭間、唯一のアクセス路
田沢湖畔からバスで30分、地熱とブナ原生林に囲まれた秘境へ。まさに自然の湯治館です。
久保田城跡に整備された市中心部のオアシス。桜や紅葉の名所としても有名。
初代藩主・佐竹義宣が築城、1603年誕生の居城跡
久保田城は1603年に築かれ、15代にわたり12万石の拠点となった要塞でした。
明治期には名匠・長岡安平が庭園を設計
1896年、造園家・長岡安平が日本庭園として再生。池泉回遊式庭園の美が今も息づきます。
「千秋」の由来は永遠の繁栄祈願
千(千年=永遠)と秋(秋田の“秋”)の組み合わせで、藩主の願いが込められています。
昭和64年に大手隅櫓を復元
1989年、廃城後に消失した大手隅櫓が市の100周年を機に再建され、往時の城郭景観を伝えます。
世界遺産登録の原生的ブナ林。「緑のダム」としての保水力も評価。
この森はまるで巨大なスポンジのように雨水を抱え込み、一本の樹齢200年のブナが年間8トンもの水を貯え込む「自然のダム」と化していることをご存じでしたか?
土壌は何層もの腐葉土と枝葉で覆われており、洪水を防いで下流の暮らしを何世代にもわたり支えてきました。
1993年には日本で初めて世界自然遺産に登録され、約1万7千ヘクタールの核心部はまだ人の足跡を許さない「生きた実験室」として貴重な生態系を守り続けています。
薄明かりの中を流れる川のせせらぎや、湿った大地が奏でる静かなシンフォニーに、訪れるたび心奪われることでしょう。
春の短期間だけ出現する、鏡沼に浮かぶ龍の眼のような雪解け模様。
八幡平の鏡沼にだけ現れる「龍の眼」は、例年5月下旬から6月初旬の、わずか1〜2週間程度。その神秘的な輪郭を捉えようと、早朝の冷気の中に三脚を構えるカメラマンが後を絶ちません。
出現のメカニズムは、沼の中央部に残る雪が最後まで溶けずに残り、周囲の雪解け水が青いリング状に広がるから。自然のいたずらが生む奇跡の一幕です。
地元の観光協会では、お天気と気温のデータを基に「出現予測カレンダー」を公開しており、その精度の高さにも驚かされます。
さらに、伝説によるとこの眼が開く瞬間に願い事をすると成就するとか。まさに“龍神の祝福”をいただけるかもしれない、ロマンあふれるスポットです。
見頃のピークを逃さないためには、早朝出発と地元ガイドの情報チェックが必須。まさに冒険心をくすぐる山旅のハイライトと言えるでしょう。
川沿いの崖から98℃の熱湯と蒸気が噴き出す、地球の大地の息吹を感じる地熱現象。
小安峡の大噴湯は、まるで地球が息を吐き出すかのように轟音を立てて熱湯と蒸気を吹き出します。
崖の裂け目から噴き上がる湯けむりは、遊歩道を進むたびに顔をくすぐるスリル満点の演出。
地元では「地球の大きなやかん」と呼び、硫黄の香りが鼻先をくすぐる散策は、まるで火山の内部探検。
近くには足湯や露天風呂もあり、熱気の余韻を温泉のぬくもりに変えてくれる贅沢な癒しが待っています。
草木の生えない荒涼とした地肌が広がる霊地。川原毛大湯滝は天然の露天風呂。
川原毛地獄は、恐山・立山と並ぶ日本三大霊地のひとつ。灰白色の大地に硫黄の匂いが満ち、
修験者たちが身を清める修行の場として古来から崇められてきました。
川原毛大湯滝は、高さ約20mの滝そのものが天然温泉となり、夏季は打たれ湯体験が可能。
滝の音と硫黄の香りに包まれる非日常感は、まるで異界へ足を踏み入れたかのような神秘そのものです。
地上100mの展望室から360°の大パノラマ。入場無料の絶景タワー。
このタワー、100mもの高さの展望室が無料で開放されるという、あまりに太っ腹なサービスに驚かないわけにはいきません。
地上143mの雄大なシルエットを背景に、日本海に沈む夕陽をまるでプライベートシアターのスクリーンのように独り占めできる贅沢さ。
カップル専用と言われるハート型ベンチは、まるで夜景の中に浮かぶ秘密の小部屋。二人だけの特別な時間を演出してくれます。
さらに、子どもが喜ぶプレイコーナーや地元野菜の直売所も併設されており、家族連れでも一日中楽しめる懐の深さが自慢です。
夜になると、その100m下の街並みが宝石のようにきらめき、澄み切った秋田の夜空と相まって、まさに夢のような一夜が広がります。
東北の耶馬渓と称される、エメラルドグリーンの神秘的な断崖渓谷。
「抱返り(だきがえり)」とは“抱き合って振り返る”という意味で、かつて断崖絶壁を縫うような細道で人がすれ違う際、互いに抱き合って体を支え合いながら通り抜けたと言われています。
そのスリルは今も川音にかき消され、遊歩道から眺めるエメラルドグリーンの清流が、振り返らずにはいられないほどの絶景を演出します。
ハイライトの「回顧(みかえり)の滝」は、通る人を何度も振り返らせる“引力”を秘め、滝つぼまで続く光と水のコントラストが圧巻です。
秋の紅葉シーズンには、燃えるような赤と緑が流れる川面を一層鮮明に彩り、東北の天然絵巻を思わず息を呑んで見入ってしまいます。
苔むした岩肌から白い水しぶきを上げる、天然の伏流水が育む神秘の景勝地。
一見すると滝に見えますが、実は鳥海山に降った雨や雪解け水が長い年月をかけて地中をろ過し、苔むした岩間から湧き出す伏流水なのです。
緑の苔と白い水しぶきが織りなす幻想的なコントラストは、映画やCMのロケ地としてもたびたび選ばれるほどの美しさ。
湧き出す水は「平成の名水百選」にも選ばれ、その清冽な味わいは地元の名水としても親しまれています。
周囲には遊歩道が整備されており、岩のすき間に伸びる藤の根や苔の絨毯を観察しながら歩くと、まるで時間がゆっくり流れるように感じられます。
初夏の新緑、秋の紅葉シーズンには、水面に映る色彩が二重の美を生み出し、訪れる人を何度でも魅了します。
鳥海山麓を走る23kmの観光列車「おばこ号」。企画列車にも注目。
昔ながらの単線区間で行われる「タブレット交換」は、まるで鉄道版リレー競技のよう。列車が駅に滑り込むと、運転士と駅員が手袋越しに金属の通行票をパスし合い、その瞬間だけ時間がゆっくり流れるような特別感があります。
愛称「おばこ号」の“おばこ”とは秋田弁で若い娘さんを意味し、優雅に走る列車の姿がかわいらしく愛おしく感じられる由来です。
また「犬っこ列車」は車内が秋田犬の写真で彩られ、「ごっつお玉手箱列車」では沿線のお母さんが作った郷土料理を味わいながらゆったりと移動でき、まるで家族の食卓に招かれたようなあたたかいおもてなしを受けられます。
かつて国鉄が廃止された路線を地元が引き継ぎ、今では地域の足としても観光資源としても活躍。窓の外に広がる田んぼアートや真っ白な雪景色を背景に、地元の人々の思いが詰まった小さな列車旅をぜひ体験してみてください。
日本一の強酸性泉と湧出量を誇る、日本有数の湯治場。天然岩盤浴も名物。
源泉のpHは驚異の1.2、レモン汁よりも強い酸性泉は日本で唯一。入る前に少し肌に塗ると、まるで温泉のクレンジング効果を実感できるかもしれません。
地元では「傷も洗い流してくれる」と昔から湯治客に愛され、湯巡り用の瓶を持参する人も。
しかもこの地でしか採れない北投石を敷いた天然岩盤浴では、微量の放射線と地熱のダブル効果が味わえ、世界的にも珍しい“癒しの温床”として知られています。
山並みを望む露天風呂からは、冬場は雪見風呂、初夏は新緑を楽しむことができ、廊下に並ぶ湯治宿の木製貯湯桶が、まるで時を止めたかのようなノスタルジックな雰囲気を醸し出します。
「一度入ると出られない」と言われるほどクセになる強烈な個性を持つ温泉、一度試せばあなたも玉川の虜になるはずです。
樹氷とパウダースノーが楽しめるスキー場。夏は高山植物の花の百名山。
冬の森吉山は「スノーモンスター」と呼ばれる樹氷で有名。朝もやの中をゴンドラで登ると、幻想的な白い怪物たちが迎えてくれます。
ここは日本三大樹氷の穴場としても知られ、蔵王ほど混まずにじっくり観賞できるのが嬉しいポイント。
さらに夏場は「花の百名山」として、高山植物の宝庫になります。ゴンドラに乗ったまま可憐なコマクサやチングルマの群生を眺める爽快な贅沢体験が待っています。
そして春先には残雪が残る林間コースでスキーやスノーシューが楽しめるなど、オールシーズン大自然を満喫できる、まさに四季のアトラクションパークです。
地元ガイドのツアーに参加すれば、樹氷の“かくれアート”と呼ばれる氷の造形や、森に息づく小動物の痕跡も教えてもらえます。
2月開催の小正月行事。雪の家「かまくら」で甘酒や餅を振る舞う風情ある祭り。
450年以上続く横手のかまくらは、水神様をお迎えする神聖な行事。雪で作った小さな社の中に灯るろうそくの火は、冷たい闇をやわらかに照らします。
中では甘酒や焼き餅を振る舞いながら「はいってたんせ(どうぞお入りください)」と声をかけるのが慣わしで、訪れた人は神様と一緒におもてなしを受けている気分に。
かまくらが並ぶメイン会場のほか、川原には数百ものミニかまくらが点在し、揺れるろうそくの灯りが雪原に幻想的な星屑のように広がります。
昼間のかまくらでは子どもたちが雪玉を転がして遊び、大人は囲炉裏端の温かい土間で束の間の休息。夜には雪灯りが風情を増し、冬の寒ささえ愛おしく感じられる体験です。
地元の語り部さんによる民話の語りもあり、土着の伝承に耳を傾けながら、雪と人々が織りなす小正月の祭りを存分に味わえます。
東北三大祭りの一つ。稲穂を模した巨大な竿燈をバランスで差し上げる妙技。
真夏の夜空に林立する竹竿群は、まるで夜空に散りばめられた星座のよう。その中でも大若(おおわか)は重さ約50kg、提灯46個をぶら下げた長さ12mの“生けるモニュメント”です。
差し手たちは手のひら、額、肩、腰と次々に受け渡す驚異のバランス技を披露。練習はまるで“竹竿道場”、地元の子どもたちも竹竿を使った体験教室で技を学びます。
掛け声「どっこいしょ!」は、竿が根を張るように天に突く様子を願ったもの。何度も叫ぶほどに祭りの熱気が高まり、会場全体が一体となる瞬間はまさに感動の渦。
昼間は妙技大会、夜は提灯に火を灯した幽玄な演技が楽しめ、終演後には会場を彩る無数の灯りが秋田市街にゆらめき、祭りの余韻を長く胸に刻み込みます。
縄文後期の環状列石。天文観測や共同墓地としての役割が推測される特別史跡。
およそ4,000年前、縄文人はここで何を見上げ、何を祈ったのか。二つの大サークルは、夏至の日の出と冬至の日没のラインをほぼ正確に結んでおり、小さな石一つにも深い意味が宿っています。
「石の下には墓がある」と言われる通り、配石の下からは埋葬の痕跡が見つかり、祭祀と弔いが一体化した場だったことを物語ります。
2021年には「北海道・北東北の縄文遺跡群」の一員となり世界遺産登録。隣接のストーンサークル館では、最新の3Dレーザースキャン展示やVR体験で、縄文人の世界にタイムスリップするような没入感が味わえます。
星が瞬く夜、ライトアップされた石列の間をひとり歩けば、遥か古代から続く“時の連環”を肌で感じることができるでしょう。
94.2kmのローカル線「あきた♥美人ライン」。紅葉や田んぼアートも車窓に。
「あきた♥美人ライン」という愛称の由来は、沿線に多く住む美人画の里・角館の風情を味わってほしいという想いから。車窓に広がる武家屋敷や田んぼアートは、まさに移動する展覧会です。
かつては赤字ローカル線の危機に陥りましたが、地元の熱意で運行を継続。今では観光列車や「マタギ列車」など趣向を凝らした編成で、乗るだけで地域文化が学べる“走る体験型ミュージアム”となりました。
秋の紅葉シーズンには、深紅や黄金色に染まる山々と青い空、列車のレトロなベル音が響き合い、まるで絵本から飛び出したような風景が一瞬一瞬を彩ります。
地元ガイドのおもてなしや、駅で売られる手作りおにぎりも絶品。心地よい揺れに身を任せながら、のんびりと秋田の大地を堪能してみてください。
竿燈まつりや港曳山など、秋田市の民俗芸能を資料展示と実物で紹介。
「ねぶり流し」と呼ばれる提灯流しの古い行事から始まり、やがて竿燈まつりへと進化したその過程を、目の前でリアルに体感できるのがこの館のすごいところです。
江戸後期の商家「旧金子家住宅」をそのまま使った館内には、防火用の天水甕や当時の家具、障子越しの光まで、本物の暮らしが息づいています。
映像シアターでは、提灯が揺れる音と笛太鼓のリズムに合わせて、まるで祭りの真ん中に飛び込んだかのような臨場感が味わえます。
実物大の竿燈が天井を突き抜けんばかりに並び、夜の打ち上げ花火を背にした煌めく姿は、見上げるだけで背筋がゾクゾクする迫力です。
そして館外では、祭り衣装を試着して写真撮影もできるので、「ねぶり流し」の主役になったつもりで秋田の伝統を肌で感じましょう。
旧秋田銀行本店を利用した赤レンガ造りの重要文化財。郷土資料を展示。
1912年に建てられたルネサンス様式の赤レンガ建築は、秋田の近代化を象徴するシンボルとして今も凛とした佇まいを見せます。
元銀行の金庫室はそのまま展示室に転用され、分厚い扉の奥で貴重な郷土資料を間近に鑑賞できるユニークな仕掛けです。
ドーム型天井と大階段が残る旧営業室では、かつての銀行員の足跡を想像しながら、明治・大正期の暮らしに思いを馳せることができます。
夜間にはライトアップも行われ、赤レンガの質感が温かいオレンジに染まる幻想的な景色は、まるでヨーロッパの街角に迷い込んだかのよう。
城下町・秋田の歴史とともに歩んだこの建物で、ガイドツアーに参加すると隠れたディテールや小さな落書きの痕跡まで教えてもらえます。
フジタの大壁画「秋田の行事」をはじめ、安藤忠雄設計のモダン建築。
壁面を覆う20.5×3.65mの超大作「秋田の行事」は、藤田嗣治が秋田の四季折々の風物詩を一筆一筆に魂を込めて描いたもので、まさに圧巻の一言です。
依頼主の平野政吉は「未来へ残る芸術を」と洞窟壁画並みの永続性を願い、この大作を美術館開館の記念に制作させました。
建物自体も安藤忠雄の設計によるコンクリート打ち放しのモダンな構造で、水庭に映る螺旋階段はまるで現代アートの一部。
壁画と建築が呼応し合う空間を歩くたび、展示室全体がひとつの芸術作品としてあなたを包み込みます。
森吉ダムによって生まれた周囲30kmの人造湖。紅葉や遊覧船で秘境小又峡へ。
かつて渓流だった谷間がダム建設で広大な湖に変貌した太平湖。その遊覧船は、まるで時間を巻き戻す魔法の舟。小又峡へと唯一通じる航路をゆっくり進むたび、断崖絶壁と大小の滝が連続する秘境の姿が次々と現れます。
湖面に映る紅葉の逆さ景色は、風が止む瞬間だけ見られる幻のキャンバス。地元では「逆さ錦絵」と呼び、写真家たちが息をひそめてその絶景を狙います。
湖に棲むニジマスやヤマメは漁も解禁され、釣り人には人気のスポット。釣果をその場で炭火焼きにする体験もあり、自分で釣った魚をそのまま味わう贅沢が味わえます。
水上から眺める新緑、夏の涼風、秋の紅葉、冬の氷上ワカサギ釣りと、四季折々の顔を持つ太平湖は、訪れるたびに新たな魅力を教えてくれる“人造の大自然”です。
1853年創業の味噌・醤油蔵。趣ある店内と試食スペース「文庫蔵」が魅力。
創業当初は地主の米を使った味噌醤油づくりから始まり、今では年間数千リットルを生産する老舗蔵元に。3年熟成の「古代味噌」は、杉桶から漂う芳醇な香りがまるで森の中にいるかのようです。
赤レンガ造りの文庫蔵は元は貯蔵庫でしたが、今では無料の試食スペースに。壁に並ぶ樽を眺めながら、できたての醤油と味噌で味わう小さなおにぎりは、蔵元ならではの贅沢な一品。
毎週末には蔵見学ツアーを開催し、麹室の内部まで見られる貴重な体験が可能。ガイド役の蔵人さんが「麹菌は蔵の妖精」と呼ぶほど、空気中に漂う微生物の世界を楽しく解説してくれます。
土産には、手作りの木桶コースターや、味噌作りキットもあり、自宅でも蔵の味を再現できるお土産選びが楽しめます。
かつての多島海が大地震で隆起し田んぼの中に浮かぶ島々が広がる風景。
象潟は松島と並ぶ絶景として知られ、芭蕉が「象潟や 雨に西施が ねぶの花」と詠んだ海の浮島が、
1804年の地震で一夜にして海底が2m隆起し、田園の中に島々が浮かぶ奇景に変わった瞬間を想像すると、
自然の力に背筋がぞくぞくします。今も水田に点在する約100の“浮島”には松や椿が残り、まるで絵画のような風景を描き出しています。
道の駅「ねむの丘」の展望デッキから眺めると、芭蕉が見た空と海と島のコンポジションがそのまま目の前に広がり、
時空を超えたロマンを感じずにはいられません。
動物との距離が近い展示が特徴。「アニパ」遊園地も併設。
1972年の開園以来、15haに114種もの動物が暮らし、日本動物園水族館協会認定の本格施設へと成長しました。
中でも「アソヴェの森」は吊り橋やアスレチック状の回廊が動物展示のすぐ上を走り、まるでジャングル探検家になったかのようなスリルを味わえます。
園内には蒸気機関車「SLパーク」も走り、子どもだけでなくノスタルジーを求める大人も楽しめる異国情緒あふれる風景です。
そして、高校生以下は入園無料という粋な配慮があり、家族旅行の財布にも優しく、学びと遊びの両方を提供し続けています。
世界中から集めた300種以上のはちみつと体験コーナーが人気の専門店。
1977年、養蜂修行を終えた店主が玉川温泉への道すがら、テント一張りで始めた小さな販売が今では全国区の人気スポットに成長したこと、ご存じですか?
毎夏開催の「はちみつ搾り体験」では、遠心分離機をぐるぐる回し、巣箱から滴り落ちる黄金色の宝を自分の手で取り出せるワクワク感が味わえます。
店内では「はちみつソフトクリーム」が1日1200個売れる日もあり、フレッシュなのに後味すっきりの秘密は、店主こだわりの純度99%のはちみつブレンド。
赤いロンドンバスのフォトスポットや、ミツバチの巣箱を間近に観察できる窓から聞こえるブンブンという羽音が、自然への好奇心をくすぐります。
世界の希少品種から県産アカシア、栗やそばまで、300種以上のはちみつを味見しながら、自分だけの“一瓶”を探す楽しさはまさに蜜の旅です。
文化施設からプラネタリウム、かまくら展示まで揃う大型複合テーマパーク。
東京ドーム4つ分もの広さを誇る園内は、まるで秋田県をぎゅっと凝縮した“ミニ県”のようで、訪れた瞬間からワクワクが止まりません。
真夏でも雪国体験が楽しめる「かまくらんど」では、白い雪のブロックに囲まれながら冷たい甘酒を一口、まるでタイムスリップしたかのよう。
敷地内には秋田県立近代美術館も併設され、伝統工芸の実演を見たあと、そのまま現代アートの大作に触れられる異色のコラボが魅力です。
プラネタリウムでは満天の星空が再現され、北斗七星やあきた牛乳座を探す楽しさも。子ども向け屋内遊具「ワンダーキャッスル」もあり、一日では回り切れない充実ぶりです。
工芸体験でオリジナルのこけしを作ったり、地元食材を使ったバイキングでお腹を満たしたり、訪れるたびに新しい発見が待っています。
「出羽富士」と呼ばれる秀麗な活火山。日本百名山に数えられ、高山植物が豊富。
鳥海山は古くから山岳信仰の霊山とされ、祓川や鉾立の登山道脇には行者たちの祠が点在します。
冬の氷結樹氷は、まるで雪の彫刻館。春から夏にかけては雪渓に咲くチョウカイフスマやアザミが「高山の花園」を演出し、
花の百名山に選ばれる理由がわかります。山頂直下に残る万年雪を眺めながら、地元ガイドに伝えられる「鳥海山」という名の由来話を聞けば、
渡り鳥が羽を休めたとも、日本海から望む姿を讃えたとも伝わる多彩な伝説に、思わず笑顔がこぼれるでしょう。
忠犬ハチ公のふるさと。秋田犬の歴史とふれあいを紹介するミュージアム。
ハチ公が生まれたのはここ大館近郊の農家。渋谷駅のあの銅像が、突然身近に感じられます。
「秋田犬の里」では、保存会のブリーダーによるグルーミング実演や子犬との触れ合いコーナーがあり、
忠誠心あふれる瞳に思わず心を奪われます。展示室にはハチ公のレプリカや血統図も並び、
「見るのはOK、触るのはマナー」と言われる秋田犬のデリケートな性格を学びながら、ゆったりとしたひとときを過ごしてください。