合掌造りの里、名湯、古い町並み。岐阜の魅力を凝縮体験。
世界遺産 白川郷合掌造り集落
日本の原風景が広がる、大小様々な合掌造りの家々が立ち並ぶ美しい集落。四季折々の景色が楽しめます。
日本三名泉 下呂温泉
千年以上もの歴史を持つ名湯。つるつるした肌触りの温泉は「美人の湯」として知られ、心身を癒やしてくれます。
飛騨高山 古い町並
江戸時代の城下町の風情が残るエリア。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、食べ歩きやお土産探しも楽しめます。
ユネスコ世界遺産に登録された合掌造り集落で、岐阜県を代表する観光地です。大小100棟以上の茅葺き屋根の家屋が残り、日本の原風景とも称される美しい景観が魅力です。
世界遺産の合掌造り集落
ユネスコ世界遺産に登録された合álogo造り集落で、岐阜県を代表する観光地です。大小100棟以上の茅葺き屋根の家屋が残り、その多くで現在も人々が生活を営んでいる「生きている遺産」であることが大きな特徴です。
日本の原風景とも称されるその美しい景観は、国内外から多くの観光客を惹きつけ、特に海外からの人気が非常に高いスポットとして知られています。
集落全体を見渡せる荻町城跡展望台や城山天守閣展望台からの眺めは格別で、春の新緑、夏の緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々に異なる表情を見せてくれます。
国指定重要文化財の和田家や神田家、旧遠山家など、内部を見学できる合掌造り家屋も複数あり、当時の暮らしぶりを垣間見ることができます。また、日帰り入浴可能な温泉施設や、合掌造りの構造や歴史を学べる合掌ミュージアムもあり、多様な楽しみ方が可能です。
江戸時代の城下町の面影を色濃く残す、飛騨高山観光のハイライトです。「さんまち通り」と呼ばれるエリアには出格子が連なる古い町家が軒を連ね、風情豊かな景観が広がります。
江戸情緒あふれる商人の町
江戸時代の城下町の面影を色濃く残す、飛騨高山観光のハイライトです。特に、商人町として栄えた上三之町、上二之町、上一之町周辺は「さんまち通り」とも呼ばれ、出格子が連なる古い町家が軒を連ねています。軒下には用水路が流れ、造り酒屋には杉の葉を玉にした「酒ばやし」が下がるなど、風情豊かな景観が広がります。
古い町並みの魅力は、その歴史的な景観だけにとどまりません。多くの資料で指摘されているように、地酒や飛騨牛といった「食」の体験や、一位一刀彫などの伝統工芸品を扱う店での「買い物」が一体となっている点が、幅広い層に強く支持される理由と考えられます。
特に、飛騨牛の握り寿司や串焼き、香ばしい醤油だれのみだらし団子などの食べ歩きは大変人気があります。また、7軒もの造り酒屋では試飲を楽しむこともできます。人力車での散策や、古民家を改装したレトロなカフェでの休憩もおすすめです。国内外から多くの観光客が訪れる、岐阜県を代表する人気スポットの一つです。
有馬、草津と並び称される「日本三名泉」のひとつ。飛騨川を中心に温泉街が広がり、無料で利用できる足湯も点在。「美人の湯」としても知られています。
日本三名泉「美人の湯」
兵庫県の有馬温泉、群馬県の草津温泉と並び称される「日本三名泉」のひとつとして全国的に有名です。その歴史は古く、平安時代に開湯したと伝えられ、江戸時代の儒学者・林羅山によって三名泉の一つとして称えられました。飛騨川を中心に温泉街が形成されており、数多くの旅館やホテルが軒を連ねています。
温泉街には無料で利用できる足湯が9ヶ所も点在しており、散策の途中に気軽に名湯を楽しむことができます。泉質はアルカリ性単純温泉で、肌触りがなめらかなことから「美人の湯」としても親しまれています。近年、下呂温泉は「日本三名泉」という伝統的なブランド力を維持しつつ、新しい魅力づくりにも積極的に取り組んでいます。
特に若い世代に人気のスイーツ巡りやカフェ巡りが定着し、食べ歩きも楽しめます。
八幡山の山頂に建つ美しい山城。「日本一美しい山城」「天空の城」とも呼ばれ、木造再建城としては日本最古。天守閣からの眺望や紅葉が特に人気です。
日本最古の木造再建山城
郡上市の八幡山の山頂に凛と建つ、美しい山城です。その姿から「日本一美しい山城」や、近年では「天空の城」としても人気を集めています。現在の天守閣は昭和8年(1933年)に、当時の大垣城(国宝・戦災で焼失)を参考に再建されたもので、木造の再建城としては日本で最も古い歴史を持ちます。城内では、歴代城主ゆかりの品々や合戦図などが展示されています。
天守閣からの眺望は素晴らしく、城下町の家並みや吉田川の流れ、奥美濃の雄大な山々を一望できます。四季折々の景色が楽しめますが、特に春の新緑や、城全体が燃えるように色づく秋の紅葉は圧巻です。紅葉シーズンには夜間のライトアップも実施され、幻想的な雰囲気に包まれます。
郡上八幡城の人気は、単に歴史的な価値があるだけでなく、「日本最古の木造再建城」という希少性と、「天空の城」、「日本一美しい山城」と称される写真映えする景観、特に紅葉の美しさが組み合わさることによるものと考えられます。
金華山山頂にそびえる岐阜市のシンボル。斎藤道三や織田信長の居城として知られ、最上階の展望台からは360度の大パノラマが広がります。夜景も人気。
信長公ゆかりの天空の城
岐阜市のシンボルとして金華山の山頂にそびえ立つ城です。かつては稲葉山城と称され、戦国時代には斎藤道三、そして織田信長の居城として天下統一の拠点となりました。難攻不落の城としても知られ、「美濃を制すものは天下を制す」とまで言われました。現在の城は昭和31年(1956年)に市民の熱意により復興された鉄筋コンクリート造り3層4階建てです。
城内は史料展示室となっており、岐阜城ゆかりの資料が展示されています。最上階の展望台からは、眼下に鵜飼で有名な清流長良川、岐阜市街はもちろん、東には恵那山や木曽御岳山、北には乗鞍岳や日本アルプス、西には伊吹山、南には濃尾平野から伊勢湾までを望む、360度の大パノラマが広がります。
岐阜城の魅力は、戦国時代の著名な武将との強い結びつきによる歴史的価値と、金華山山頂という立地が生み出す圧倒的な眺望が両立している点です。特に期間限定で実施される夜間開館「岐阜城パノラマ夜景」では、宝石箱をひっくり返したような美しい夜景が楽しめ、デートスポットとしても人気を集めています。
奥飛騨温泉郷に位置し、日本唯一の2階建てゴンドラで標高2,156mへ。山頂展望台からは北アルプスの絶景が広がり、ミシュラン二つ星の評価を得ています。
北アルプスの絶景を望む空中散歩
奥飛騨温泉郷に位置し、北アルプスの雄大な自然を手軽に満喫できる人気のロープウェイです。第1・第2ロープウェイを乗り継ぎ、標高2,156mの西穂高口駅までアクセスできます。特に第2ロープウェイは、日本で唯一の2階建てゴンドラを採用しており、広々とした窓から迫力ある空中散歩を楽しめます。
西穂高口駅屋上の展望台からは、西穂高岳、槍ヶ岳、笠ヶ岳など、北アルプスの名峰が連なる360度の大パノラマを一望できます。その絶景は「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で二つ星として掲載されるほど高く評価されています。春の新緑、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季を通じて息をのむような美しい景色が広がります。
特に秋の紅葉シーズンや、一面銀世界となる冬は格別です。山頂駅周辺の「頂の森」では、自然散策路を歩きながら高山植物などを観察できます。また、しらかば平駅にはレストランやベーカリー「アルプスのパン屋さん」、天然温泉露天風呂「神宝乃湯」などもあり、絶景と共にグルメや癒やしも満喫できます。
新穂高ロープウェイの強みは、「日本唯一の2階建てゴンドラ」というユニークな乗り物体験と、ミシュラン認定の絶景を組み合わせている点であり、これが幅広い層にアピールしています。
中山道43番目の宿場町。石畳の坂道に沿って古い町家が連なり、江戸時代の風情が漂います。文豪・島崎藤村の生誕地としても有名です。
文豪ゆかりの坂道の宿場町
江戸と京を結んだ五街道の一つ、中山道六十九次のうち江戸から数えて43番目の宿場町です。山の尾根に沿って開かれた珍しい「坂道にある宿場」で、約600mにわたって続く石畳の坂道が特徴的です。坂道の両脇には、格子造りの民家や茶屋、土産物店などが軒を連ね、江戸時代の面影を色濃く残すノスタルジックな雰囲気が漂います。
馬籠宿は、明治から昭和にかけて活躍した文豪・島崎藤村の生誕地としても有名です。宿場の中ほどにある本陣跡には藤村記念館が建てられ、代表作『夜明け前』の原稿やゆかりの品々が展示されています。散策の楽しみの一つが食べ歩きで、香ばしいタレがたまらない五平餅や、素朴な味わいのおやき、焼きたての煎餅などが人気です。
宿場町の坂を上りきった場所にある見晴台からは、雄大な恵那山を真正面に望むことができます。
歴史的な宿場町の景観に加え、島崎藤村という著名な文学者とのゆかりが文化的な深みを与え、さらに隣接する妻籠宿へのハイキングコースも用意されていることから、体験型観光を求める層にも魅力的です。
木曽川を堰き止めてできた人造湖。両岸にそびえる奇岩・怪石の景観が特徴的で、遊覧船クルーズで迫力ある景色を楽しめます。四季折々の美しさも魅力。
奇岩と湖が織りなす景勝地
木曽川を大井ダムによって堰き止めて造られた人造湖で、岐阜県東部を代表する景勝地の一つです。大正9年に地理学者の志賀重昴によって命名されました。湖の両岸には、長い年月をかけて浸食された花崗岩がそびえ立ち、獅子岩、屏風岩、軍艦岩など、様々な名前が付けられた奇岩・怪石が連続する独特の景観を作り出しています。
恵那峡の魅力を満喫するには、遊覧船がおすすめです。約30分間のクルーズで、湖上から断崖絶壁や奇岩を間近に眺めることができ、迫力満点の景色を楽しめます。
恵那峡は四季折々の美しさも魅力で、春にはさざなみ公園の約200本の桜やツツジが咲き誇り、夏は鮮やかな新緑と赤い恵那峡大橋のコントラストが美しく、秋には峡谷全体が紅葉で彩られ、冬にはオシドリなどの水鳥が飛来します。周辺には、遊園地の恵那峡ワンダーランドや恵那峡温泉、2020年にリニューアルされた恵那峡ビジターセンターなどもあり、一日中楽しめます。
ダム湖という人工的な要素と、それによって生まれた奇岩怪石の自然景観が融合し、遊覧船というアクティビティによってその景観をダイナミックに体験できる点が、恵那峡の大きな魅力となっています。
「養老孝子伝説」で知られる養老の滝を中心とした広大な公園。「日本の滝百選」にも選ばれ、園内にはアート施設やレジャー施設も点在。桜と紅葉の名所です。
孝子伝説と自然・アートが融合する公園
養老山麓に広がる広大な都市公園で、その中心にあるのが「養老の滝」です。この滝は、親孝行な木こりが汲んだ水が父のために美酒に変わったという「養老孝子伝説」で広く知られています。
高さ約30m、幅約4mの美しい滝で、「日本の滝百選」や「名水百選」(菊水泉)にも選ばれており、古くは葛飾北斎の浮世絵にも描かれました。滝を含む約78ヘクタールの広大なエリアが養老公園として整備されており、豊かな自然の中で散策やレジャーを楽しめます。
園内には、世界的アーティスト荒川修作氏とマドリン・ギンズ氏による体験型アート庭園「養老天命反転地」や、大型遊具を備えた「岐阜県こどもの国」、キャンプセンター、テニスコートやパークゴルフ場などのスポーツ施設、お土産物店や食事処が集まる「楽市楽座・養老」など、多彩な施設が点在しています。また、公園全体が桜と紅葉の名所としても有名で、春と秋には特に多くの人で賑わいます。
養老公園の魅力は、有名な「養老の滝」を核としながら、アート、レジャー、スポーツ、自然散策など、多様な楽しみ方ができる複合的な公園である点にあり、これが家族連れからカップル、シニア層まで、非常に幅広い層に支持される理由となっています。
根道神社参道脇にある、透明度の高い池。錦鯉が泳ぎ、睡蓮が浮かぶ様子がモネの絵画『睡蓮』に似ているとSNSで話題に。写真映えスポットとして人気。
まるで絵画のような神秘の池
岐阜県関市板取、根道神社の参道脇にある、正式な名前のない小さな池です。もともとは灌漑用の貯水池でしたが、その驚くほどの透明度と、池の中を優雅に泳ぐ色とりどりの錦鯉、そして水面に浮かぶ睡蓮の様子が、フランス印象派の画家クロード・モネの描いた名画『睡蓮』のようだとSNSを中心に話題となり、一躍全国的に知られる人気スポットとなりました。
高賀山の伏流水が水源とされ、水温が年間を通して約14℃と安定しているため、水の透明度が高く保たれ、冬でも池が凍らず睡蓮が枯れにくいと言われています。そのため、四季を通じて美しい景観を楽しむことができます。
特に睡蓮の花が咲く初夏(5月下旬~10月頃)は、ピンクや白の花が水面を彩り、最も華やかな時期となります。また、周囲の木々が色づく秋の紅葉や、雪景色の中に佇む幻想的な冬の姿も格別です。写真映えするスポットとして多くの人が訪れますが、元々は観光用に作られた池ではないため、マナーを守って鑑賞することが大切です。
この池の急速な人気化は、SNSによる情報拡散が、無名の場所を一大観光地に変貌させた現代的な事例と言えます。
北アルプスに抱かれた5つの温泉地(平湯、福地、新平湯、栃尾、新穂高)の総称。日本屈指の湯量と、大自然に囲まれた開放的な露天風呂が魅力です。
北アルプスに抱かれた5つの名湯
北アルプスの雄大な山々に抱かれた、5つの温泉地(平湯温泉、福地温泉、新平湯温泉、栃尾温泉、新穂高温泉)の総称です。日本屈指の湯量を誇り、それぞれ泉質や雰囲気が異なる温泉を楽しむことができます。特に、大自然に囲まれた開放的な露天風呂の数は日本有数と言われ、四季折々の絶景を眺めながらの湯浴みは格別です。
奥飛騨温泉郷は、新穂高ロープウェイや日本の滝百選に選ばれた平湯大滝、愛嬌たっぷりのクマたちに出会える奥飛騨クマ牧場など、周辺の観光スポットへのアクセス拠点としても便利です。また、福地温泉の朝市や昔ばなしの里、上宝町の美しい渓谷など、各エリアに独自の魅力があります。
奥飛騨温泉郷の魅力は、単一の温泉地ではなく、それぞれ異なる個性を持つ5つの温泉地が集まっていることによる多様性と、北アルプスの雄大な自然に囲まれたロケーション、そして豊富な湯量と開放的な露天風呂にあります。これにより、様々な好みや目的を持つ温泉ファンや登山客、自然愛好家を魅了し続けています。
天下分け目の戦い「関ヶ原の戦い」の地に2020年開館した体験型歴史博物館。最新技術を駆使した展示やシアターで、合戦の臨場感を味わえます。
天下分け目の戦いを体感する拠点
慶長5年(1600年)に起こった天下分け目の戦い「関ヶ原の戦い」の地に、2020年10月に開館した体験型の歴史博物館です。愛称は「関ケ原メモリアル」。関ヶ原の戦いのすべてが分かる拠点施設として整備されました。
館内では、最新技術を駆使した展示が特徴です。1階の床面全体に投影される巨大なスクリーン「グラウンド・ビジョン」では、関ヶ原の戦いに至るまでの東西両軍の動きを俯瞰的に学ぶことができます。続く「シアター」では、大迫力の映像と音響で合戦の様子を再現し、まるで戦場にいるかのような臨場感を味わえます。
2階の常設展示室では、関ヶ原合戦図屏風や武将たちの甲冑(有名武将7人の甲冑が揃うのはここだけ)、当時の武器などが展示されており、戦いの詳細を深く知ることができます。また、陣羽織を着て武将になりきれる「戦国体験コーナー」も人気です。5階の展望室からは、関ヶ原古戦場全体を一望でき、徳川家康最後の陣地や石田三成の陣があった笹尾山など、主要な陣跡の位置関係を把握することができます。
比較的新しい施設ながら人気を集めているのは、重要な歴史テーマを扱いながらも、最新技術を用いた体験型展示を中心に据え、従来の歴史博物館とは異なるアプローチで訪問者の興味を引きつけているためと考えられます。
飛騨高山の奥座敷とも称される情緒ある町。白壁土蔵が連なる瀬戸川沿いの風景が象徴的。アニメ映画『君の名は。』の聖地としても注目されています。
白壁土蔵と鯉が泳ぐ水の町
飛騨高山の奥座敷とも称される、しっとりとした情緒が漂う町です。碁盤の目状に整備された町には、江戸時代から続く造り酒屋や商家、明治・大正期の町家などが残り、飛騨の匠の技が息づく美しい景観が広がっています。特に、白壁の土蔵が連なる瀬戸川沿いの風景は象徴的で、春から秋にかけては色とりどりの鯉が1000匹以上放流され、訪れる人々を和ませます。
壱之町通りには、蒲酒造場や渡辺酒造店といった老舗の造り酒屋があり、地酒の試飲や購入が楽しめます。また、円光寺、本光寺、真宗寺は「三寺まいり」の舞台として知られる古刹です。
毎年4月に行われる「古川祭」は、その勇壮さから国の重要無形民俗文化財、ユネスコ無形文化遺産に登録されており、「飛騨古川まつり会館」では、祭りで曳かれる豪華な屋台や起し太鼓が展示され、祭りの雰囲気をいつでも体験できます。
近年では、大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』のモデル地の一つとして国内外から注目を集め、JR飛騨古川駅や飛騨市図書館などを訪れる「聖地巡礼」の観光客も多く見られます。この伝統的な町並みの魅力と、現代のポップカルチャーとの融合が、新たな観光客層を引きつける要因となっています。
1300年以上の歴史を持つ伝統漁法。織田信長にも保護されたと言われ、宮内庁式部職鵜匠が伝統を受け継ぎます。篝火が照らす幻想的な光景は必見。
1300年の歴史を誇る伝統漁法
岐阜市の夏の夜を彩る、1300年以上の歴史を持つ伝統漁法です。時の権力者たちに保護され、特に織田信長は鵜飼を鑑賞する「見せる鵜飼」として確立させ、鵜匠に「鵜匠」という地位を与えたと言われています。現在、長良川の鵜匠は宮内庁式部職鵜匠という国家公務員の身分であり、皇室に鮎を献上する「御料鵜飼」も行われています。
毎年5月11日から10月15日まで、中秋の名月の日(令和7年は10月6日)と川の増水時を除き、毎夜開催されます。漆黒の闇の中、燃え盛る篝火を灯した鵜舟が川面を流れ、伝統装束に身を包んだ鵜匠が「ほうほう」という掛け声とともに巧みに鵜を操り、鮎を捕らえる様子は、まるで古典絵巻のような幻想的な光景です。
観覧船に乗船すれば、鵜匠の手縄さばきや鵜が鮎を捕る瞬間を間近で見学できます。鵜飼開始前には、鵜匠による鵜飼説明も行われます。鵜飼についてより深く知りたい場合は、近くにある「長良川うかいミュージアム(岐阜市長良川鵜飼伝承館)」を訪れるのがおすすめです。
1300年を超える歴史と皇室御用達という「伝統と格式」、そして篝火が照らす闇の中で繰り広げられる「幽玄な美しさ」が、この鵜飼の大きな魅力であり、国内外から多くの観光客を引きつけています。
羽島市で毎年5月に行われる八劔神社の例祭。絢爛豪華な13輌の山車が曳き揃えられ、からくり人形や子供歌舞伎などの奉芸が見どころの伝統的な祭りです。
絢爛豪華な山車が練り歩く春の祭典
毎年5月2・3日に岐阜県羽島市竹鼻町一帯で開催される、八劔神社の春季例祭です。江戸時代中期から続くとされ、その歴史と豪華さから岐阜県重要有形民俗文化財に指定されています。祭りの最大の見どころは、精巧な彫刻や金箔、漆塗りで飾られた13輌の豪華絢爛な山車です。これらの山車が笛や太鼓の囃子とともに町中を曳き廻される様子は圧巻です。
各山車では、「奉芸(ほうげい)」と呼ばれる伝統芸能が披露されます。からくり人形による芝居や、化粧をした子供たちが演じる子供歌舞伎など、山車ごとに趣向を凝らした芸が奉納され、観客を楽しませます。特に夜になると、提灯でライトアップされた山車が幻想的な雰囲気を醸し出し、祭りは最高潮の盛り上がりを見せます。美濃地方を代表する春祭りとして、多くの見物客で賑わいます。
中津川市の付知峡にある美しい滝。エメラルドグリーンに輝く滝壺と、高さ約12mから流れ落ちる清流が魅力。遊歩道から間近に観賞できます。
エメラルドグリーンの滝壺が輝く秘境
岐阜県中津川市の北部、豊かな自然が残る付知峡(つけちきょう)に位置する美しい滝の一つです。落差は約12メートルとそれほど大きくはありませんが、滝壺の水の透明度が非常に高く、光の加減によって神秘的なエメラルドグリーンに輝くことで知られています。その美しさから、付知峡の中でも特に人気の高いスポットとなっています。
滝の周辺は遊歩道が整備されており、滝壺のすぐ近くまで降りて、水しぶきを感じながら清涼感あふれる景観を楽しむことができます。周囲は深い緑に包まれ、特に新緑の季節や、木々が色づく紅葉の時期には、滝とのコントラストが一層際立ち、訪れる人々を魅了します。夏の避暑や、秋の紅葉狩りにも最適な場所です。
揖斐川町春日地区にある「天空の茶畑」へと続く階段や坂道の通称。急斜面に広がる美しい茶畑の景観と、そこへ至る道のりが絶景スポットとして人気です。
絶景茶畑へ続くフォトジェニックな道
岐阜県揖斐郡揖斐川町春日地区の上ヶ流(かみがれ)にある「天空の茶畑」と呼ばれる美しい茶畑景観へアクセスするための急峻な階段や坂道が、「天国への階段」や「天空の遊歩道」として近年SNSなどで話題になっています。標高約300mから400mの山の斜面に幾重にも広がる茶畑は、まるで空に浮かんでいるかのような絶景で、訪れる人々を感動させます。
この絶景に至る道は、時に険しく、体力が必要な部分もありますが、登り切った先には息をのむようなパノラマが待っています。特に新茶の季節(5月頃)には、鮮やかな緑の絨毯が広がり、写真映えするスポットとして多くの観光客やカメラマンが訪れます。茶畑は私有地であり、地元の方々が大切に手入れをしている場所なので、マナーを守って散策することが重要です。日本の農村風景の美しさを再認識させてくれる場所として注目されています。
東白川村にある落差約10mの滝。巨大な岩盤の間を勢いよく流れ落ちる姿が迫力満点。マイナスイオンたっぷりの涼スポットとしても知られています。
巨岩の間を流れ落ちる迫力の滝
岐阜県加茂郡東白川村の白川沿いに位置する、迫力ある景観が魅力の滝です。
落差は約10メートルと比較的小規模ながら、名前の通り、巨大な一枚岩のような岩盤が門のようにそそり立ち、その狭間を白川の清流が激しい水しぶきを上げて流れ落ちる様子は圧巻です。水量が豊富なため、轟音とともに流れ落ちる様は力強さを感じさせます。
滝壺の周辺は、夏でもひんやりとした空気に包まれ、豊富なマイナスイオンを感じられる癒やしの空間となっています。滝のすぐそばまで近づくことができ、その迫力を間近で体感できます。
周辺は自然豊かな環境で、キャンプ場なども近くにあり、川遊びやバーベキューなど、アウトドアレジャーと合わせて訪れるのもおすすめです。自然の造形美と清涼感を求める人々に人気のスポットです。
高山市に鎮座する古社で、春の高山祭(山王祭)の舞台。樹齢1000年を超える大杉の参道が荘厳な雰囲気を醸し出す。アニメ映画のモデル地の一つとも。
高山祭の舞台となる飛騨の古社
岐阜県高山市の南部、城山の麓に鎮座する歴史ある神社です。「飛騨山王宮」とも称され、地元の人々からは「山王さま」として親しまれています。
創建は仁徳天皇の御代とも伝えられる古社で、武田信玄が飛騨に侵攻した際に一時荒廃しましたが、高山城主・金森氏によって再興されました。毎年4月14日・15日に行われる「春の高山祭(山王祭)」は、この日枝神社の例祭であり、豪華な祭屋台が曳き揃えられることで全国的に有名です。
境内へ続く参道には、樹齢1000年を超えるとされる巨大な杉の木が立ち並び、荘厳で神秘的な雰囲気を醸し出しています。これらの杉は国の天然記念物に指定されています。
御祭神は大山咋神(おおやまくいのかみ)で、縁結び、夫婦円満、安産、商売繁盛、家内安全などのご利益があるといわれています。近年では、大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』に登場する神社のモデルの一つではないかとも言われ、多くのファンが訪れる聖地巡礼スポットとしても人気を集めています。
木曽川右岸の断崖に築かれた山城跡。自然の巨岩と石垣が融合した独特の景観が「天空の城」「マチュピチュ」とも評される。国の史跡。
巨岩と石垣が織りなす天空の城
岐阜県中津川市、木曽川の右岸にそびえる標高432mの城山山頂にある山城跡です。戦国時代に遠山氏によって築かれ、江戸時代には苗木藩の藩庁が置かれました。この城の最大の特徴は、自然の巨大な岩(巨岩)を巧みに利用し、その上に石垣や建造物を築いている点です。天然の岩盤と人工の石垣が見事に調和した独特の景観は、他に類を見ません。
そのユニークな姿から、「天空の城」や、南米ペルーの世界遺産になぞらえて「日本のマチュピチュ」などと称され、近年人気が高まっています。国の史跡にも指定されており、歴史的価値も高い城跡です。
山頂の本丸跡に設けられた展望台からは、眼下に蛇行する木曽川の雄大な流れ、恵那山、そして中津川の市街地を一望できる360度の絶景が広がります。急な坂道や階段を登る必要がありますが、その先に待つ絶景と珍しい城郭構造は訪れる価値があります。
日本で最も標高が高い場所にある観光鍾乳洞。全長約800mの洞内には神秘的な造形美が広がり、珍しいヘリクタイトも見られます。冬の「氷の渓谷」も有名。
日本一標高の高い神秘の洞窟
飛騨高山市街地と奥飛騨温泉郷の中間に位置する、日本屈指の観光鍾乳洞です。全長約800m、標高900mという日本で最も高い場所にある観光鍾乳洞として知られています。洞内は年間を通じて平均気温が約12℃と涼しく、夏は避暑地として人気です。
約2億5千万年の歳月をかけて自然が創り出した洞内は、「竜宮の夜景」、「夢の宮殿」、「月の世界」など、見どころ豊富なエリアに分かれています。特に、ねじれて曲がりながら成長する「ヘリクタイト」という珍しい鍾乳石が多く見られるのが特徴です。
冬期(1月~3月上旬)には、洞外の岩肌に巨大な氷柱が連なる「氷の渓谷」が出現し、幻想的な光景を楽しめます。また、併設されている「大橋コレクション館」は、鍾乳洞の発見者である大橋外吉氏が収集した世界の美術品や装飾品約1000点を展示しており、一時期盗難され話題となった時価2億円相当の「戻ってきた金塊」も見ることができます。ペット連れでの入洞が可能な点も特徴です。
鍾乳洞の自然美、「日本一高い」という記録、冬季限定イベント、そしてユニークな併設博物館という複合的な魅力が、多くの観光客を引きつけています。
ひるがの高原にある花と動物のテーマパーク。広大な敷地に季節の花々が咲き誇り、動物とのふれあい体験も可能。温泉やグルメ、冬のアクティビティも充実。
ひるがの高原の花と動物の楽園
岐阜県郡上市のひるがの高原、標高1000mに位置する、花と動物と食のテーマパークです。雄大な白山連峰を望む広大な敷地内には、季節ごとに様々な花が咲き誇る花畑が広がり、訪れる人々の目を楽しませてくれます。春にはチューリップやネモフィラ、夏にはラベンダーやひまわり、秋にはコスモスなどが園内を彩ります。
動物たちとのふれあいも牧歌の里の大きな魅力です。アルパカや馬、羊、牛などが飼育されており、餌やり体験や乗馬体験などが楽しめます。
園内には、天然温泉「牧華(ぼっか)の湯」や、地元食材を使った料理が味わえるレストラン、手ぶらで楽しめるバーベキューハウス、手作りパン工房、お土産ショップなどが充実しています。また、木の遊具やクラフト体験ができる「木ぼっくりミュージアム」や、ロードトレイン、ゴーカートなどの遊びの施設もあります。冬期にはゲレンデがオープンし、ソリ遊びやスノーラフティングなど、雪国ならではのアクティビティも満喫できます。
ひるがの高原の豊かな自然を背景に、「花」「動物」「温泉」「食」「遊び」といった多様な要素を組み合わせることで、特にファミリー層を中心に一日中楽しめる複合的なレジャースポットとして人気を集めています。
1300年以上の歴史を持つ「美濃和紙」の博物館。歴史や工程を学べるほか、本格的な紙すき体験が人気。ユネスコ無形文化遺産「本美濃紙」にも触れられます。
ユネスコ無形文化遺産の和紙を体験
1300年以上の歴史と伝統を誇る「美濃和紙」のすべてを、見て、触れて、体験できる施設です。美濃市の里山に位置し、和紙の原料となる楮(こうぞ)の畑に囲まれた自然豊かな環境にあります。館内では、美濃和紙の長い歴史や、原料から紙ができるまでの工程、様々な種類の和紙、そして現代における和紙の活用事例などを、パネルや実物資料を通して学ぶことができます。
この会館の最大の特徴であり、人気の理由となっているのが、本格的な「紙すき体験」です。熟練したスタッフの指導のもと、伝統的な「流しずき」や「溜めずき」の技法を用いて、自分だけの美濃和紙(美濃判、はがきなど)を作ることができます。漉いた和紙に紅葉や草花を漉き込んだり、シャワーで模様をつける「落水紙」作りなど、様々なアレンジも可能です。
作った和紙は持ち帰ることができ、旅の良い記念になります。2014年には「本美濃紙」の技術がユネスコ無形文化遺産に登録され、その価値が国際的にも認められています。館内のショップでは、便箋や工芸品など、様々な美濃和紙製品を購入することもできます。
知識の提供だけでなく、本格的な体験を通じて伝統工芸に触れられる点が、教育的価値とレジャー性を両立させ、多くの人々を引きつけています。
世界最大級のバラ園を有する広大な都市公園。春と秋の見頃には約6,000品種以上のバラが咲き誇ります。バラ以外の季節の花々や大型遊具も楽しめます。
世界最大級のバラの祭典
岐阜県可児市にある、世界最大級のバラ園を有する県営の都市公園です。平成7年(1995年)に開催された「花フェスタ'95ぎふ」の会場を再整備して開園し、2021年10月に現在の名称に変更されました。約80.7ヘクタール(バンテリンドームナゴヤ約17個分)という広大な敷地には、原種・オールドローズから国内外の最新品種まで、約6,000~7,000品種、2万~6万株以上ものバラが植栽されています。
バラの最も美しい見頃は春(5月~6月)と秋(10月~11月)で、この時期には園内が色とりどりのバラで埋め尽くされ、芳しい香りに包まれます。バラ以外にも、春のネモフィラやチューリップ、夏のひまわり、秋のコスモスなど、一年を通じて季節の花々が楽しめます。
園内には、高さ45mの展望「花のタワー」、岐阜県下最大級の大型複合遊具やふわふわドーム、夏季限定の水遊び場、園内を走るロードトレイン「ポッポ」など、ファミリーで楽しめる施設も充実しています。また、レストランやカフェ、バラ苗やガーデニンググッズを販売するショップ、ピザ焼きなどの体験工房もあります。
「世界最大級」と称されるバラ園の規模が最大の魅力ですが、季節の花々や多様な施設を整備することで、バラのシーズン以外でも集客を図り、幅広い訪問者に対応できる総合公園として人気を集めています。
江戸時代の風情を伝える美しい城下町。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、商家や旧家が軒を連ねます。女城主ゆかりの地としても知られています。
女城主の物語が息づく町並み
岐阜県恵那市岩村町にある、江戸時代の風情を今に伝える美しい城下町です。全長約1.3kmにわたる本通り沿いは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、往時の繁栄を偲ばせる商家や旧家、なまこ壁などが軒を連ねています。電線が地中化され、景観が美しく保たれているのも特徴です。
岩村は、戦国時代に織田信長の叔母にあたる「おつやの方」が女城主として城を守った地としても知られています。城下町には、その女城主にちなんだ銘柄「女城主」で知られる岩村醸造があり、試飲や購入が可能です。また、岩村名物として古くから親しまれているカステラの老舗「松浦軒本店」や、素朴な味わいの五平餅、かんから餅の店など、食べ歩きを楽しめるスポットも点在しています。
町並みの中には、江戸時代の問屋「木村邸」や染物屋「土佐屋(工芸の館)」、鉄砲鍛冶「加納家」など、歴史的な建物を活用した公開施設もあり、当時の暮らしや文化に触れることができます。岩村城下町の魅力は、保存状態の良い江戸時代の町並みという歴史的価値に加え、「女城主」という物語性、そしてカステラや地酒といった地域固有の食文化が組み合わさっている点にあり、これが多くの観光客を引きつけています。
「おちょぼさん」の愛称で親しまれる商売繁盛の神様。油揚げとロウソクをお供えするのが習わし。活気あふれる門前町の串カツなどの食べ歩きも名物です。
商売繁盛!活気あふれる門前町
岐阜県西部の海津市に鎮座し、「おちょぼさん」の愛称で全国から親しまれている稲荷神社です。創建は室町時代とされ、商売繁盛、家内安全、合格祈願などのご利益があるといわれ、年間100万人から200万人以上もの参拝者が訪れます。
おちょぼさんの参拝で特徴的なのは、お賽銭と共に油揚げとロウソクをお供えする習わしです。境内には油揚げとロウソクのセットを販売する店があります。また、毎月末日の夜から翌1日の朝にかけて行われる「月越参り(つきこしまいり)」は特に有名で、深夜にもかかわらず多くの参拝者で境内が埋め尽くされ、独特の活気に満ち溢れます。
神社の魅力は参拝だけではありません。東口から南口まで約700m続く参道には、約120軒もの店がひしめき合い、まるで毎日が縁日のような賑わいを見せています。
参道グルメの定番は、揚げたての串カツやどて煮で、店先で立ち食いするのがお決まりのスタイルです。その他にも、川魚料理(特にナマズ)や漬物、草餅など、昔ながらの味を楽しむことができます。商売繁盛という明確なご利益への期待感と、活気ある門前町での食べ歩きや買い物を楽しめる複合的な体験、そして「月越参り」というユニークな参拝習慣が、この神社の根強い人気を支えています。
江戸幕府の代官所・郡代所跡。当時の主要建物がほぼ完全に現存するのは全国で唯一ここだけ。国の史跡に指定され、江戸時代の地方支配を知る貴重な場です。
全国唯一現存する江戸時代の代官所
飛騨高山の中心部に位置する、江戸幕府の代官所・郡代所跡です。元々は高山城主・金森氏の下屋敷でしたが、江戸幕府が飛騨を直轄領とした後、代官や郡代が派遣され、176年間にわたり飛騨統治の拠点となりました。全国に60数カ所あったとされる代官所・郡代所のうち、当時の主要な建物がほぼ完全に現存しているのは全国で唯一ここだけであり、国の史跡に指定されています。
広大な敷地内には、政務を行った御役所や御用場、裁判や取り調べが行われた吟味所(お白洲)、儀式などに使われた大広間、代官や家族が生活した役宅、そして年貢米を保管した巨大な御蔵など、数多くの建物が残されており、江戸時代の地方支配の仕組みや武家社会の生活様式を具体的に知ることができます。
御蔵は現存する江戸時代の米蔵としては日本最古・最大級と言われ、現在は飛騨の歴史資料などが展示されています。建物だけでなく、美しい庭園や、釘隠しに使われている兎の意匠、玄関の大床に描かれた青海波模様など、細部の建築意匠も見どころです。陣屋の目の前の広場では、毎日「陣屋前朝市」が開かれ、地元の新鮮な野菜や民芸品などが並び、多くの人で賑わいます。「全国で唯一現存する」という歴史的希少性が最大の価値であり、隣接する「古い町並み」と合わせて飛騨高山観光の定番コースとなっています。
飛騨各地から移築された合掌造りなど30棟以上の古民家が並ぶ野外博物館。昔の農山村の暮らしに触れられ、さるぼぼ作りなど様々な伝統工芸体験もできます。
飛騨の暮らしと技を伝える野外博物館
飛騨地方各地から移築された合掌造りなど、30棟以上の古い民家が立ち並ぶ野外博物館です。高山市街地から比較的アクセスしやすく、白川郷まで行かなくても飛騨の伝統的な建築様式や昔の農山村の暮らしに触れることができます。国指定重要文化財の旧若山家住宅など、貴重な建物も含まれています。
園内の民家では、囲炉裏に火が焚かれ、当時の生活道具や農具などが展示されており、まるで昔にタイムスリップしたかのような雰囲気を味わえます。養蚕に使われた屋根裏部屋なども見学可能です。飛騨の里のもう一つの魅力は、様々な伝統工芸の実演や体験ができることです。
わら細工や飛騨さしこの実演が行われるほか、陶芸、組紐、さるぼぼ作り、招き猫の絵付け、手焼きせんべいなど、多彩な体験教室が開催されており、大人も子供も楽しめます。四季折々の自然景観も美しく、特に紅葉や雪景色、ライトアップの時期は格別です。ペット同伴での入園も可能です。高山市内で手軽に伝統家屋を見学でき、さらに体験プログラムも充実している点が、多くの観光客、特にファミリー層に支持されています。
東海地方最大級とされる鍾乳洞。最深部には高さ30mの地底の大滝があり、白く美しい鍾乳石が見られます。入口までのレトロなケーブルカーも人気。
地底の大滝と神秘の鍾乳石
岐阜県郡上市八幡町にある、東海地方最大級とされる鍾乳洞です。総延長は約2km、そのうち約700mが観光ルートとして公開されています。数百万年の歳月をかけて地下水が石灰岩を溶かし、神秘的な地底空間を創り出しました。
洞内の最深部には、高さ30mを誇る地底の大滝があり、これが鍾乳洞の名前の由来となっています。豊富な水量が現在も鍾乳石を成長させているため、洞内では白く美しい乳白色の鍾乳石をはじめ、つらら石、石筍、石柱、フローストーン、そして壁面に咲く石華(鍾乳石の花)など、多種多様な鍾乳石の造形美を観察することができます。
大滝鍾乳洞へのアクセスは、入口までの急斜面を登る木製のケーブルカーを利用します。このレトロなケーブルカー乗車も、探検気分を盛り上げるアトラクションとして人気があります。
洞内は年間を通して気温が低く保たれており、夏は涼しく快適に見学できます。また、敷地内にはニジマス釣り堀があり、夏休み期間中は流しそうめんも楽しめます。鍾乳洞探検という非日常体験に加え、ユニークなケーブルカー乗車や季節のアクティビティが楽しめる点が、ファミリー層を中心に人気を集めています。
世界最大級の淡水魚専門水族館。長良川の源流から河口、世界の河川を再現し、メコンオオナマズやピラルクーなど多様な淡水生物を展示。アシカショーも人気。
世界と長良川の淡水魚に出会う
岐阜県各務原市の国営木曽三川公園「河川環境楽園」内にある、世界最大級の淡水魚専門水族館です。館内は「木曽三川・長良川の源流から河口までと世界の淡水魚」をテーマに構成されており、自然光が降り注ぐ開放的な空間で、約220種2万点以上の魚類や両生類などを飼育展示しています。
4階から始まる展示は、長良川の源流から河口へと下るように構成され、イワナやアマゴ、アユ、国の特別天然記念物オオサンショウウオなど、岐阜県に生息する身近な淡水魚たちの生態を学ぶことができます。さらに、メコン川やコンゴ川、アマゾン川など、世界の河川を再現したエリアでは、体長4mにもなるメコンオオナマズや世界最大の淡水魚ピラルクー、愛らしいカピバラやコツメカワウソなど、迫力ある巨大魚や人気の生き物たちに出会えます。
アシカショーや、生き物に触れたり学んだりできる体験学習プログラムも充実しており、子供から大人まで楽しみながら学べる施設となっています。東海北陸自動車道の川島パーキングエリア(ハイウェイオアシス)に隣接しており、高速道路からも一般道からもアクセスしやすい利便性の高さも魅力です。
この「淡水魚専門」という専門性と「世界最大級」の規模、そしてアクセスの良さが、水族館ファンだけでなく、高速道路利用者にとっても魅力的な立ち寄りスポットとして人気を集めています。
日本唯一の「航空」と「宇宙」の本格専門博物館。零戦試作機模型や実機「飛燕」、ISS「きぼう」実物大模型など国内最大級の展示規模を誇ります。
日本の空と宇宙を体感するミュージアム
岐阜県各務原市にある、日本で唯一「航空」と「宇宙」をテーマにした本格的な専門博物館です。愛称は「空宙博(そらはく)」。各務原市は日本の航空機産業発祥の地の一つであり、その歴史的背景を伝える施設でもあります。
館内は「航空エリア」と「宇宙エリア」に分かれています。「航空エリア」では、各務原で初飛行した十二試艦上戦闘機(零戦試作機)の実寸大模型や、現存する唯一の機体とされる旧日本陸軍の三式戦闘機「飛燕」の実機をはじめ、戦前から戦後、現代に至るまでの様々な航空機やヘリコプターの実機が30機以上展示されており、その規模は国内最大級です。
飛行機の操縦を体験できるシミュレータも人気を集めています。「宇宙エリア」では、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」の実物大模型が圧巻のスケールで展示されているほか、小惑星探査機「はやぶさ2」や火星探査車「キュリオシティ」の実物大模型、国産ロケットの模型など、日本の宇宙開発の歴史と未来に触れることができます。
屋外展示場にも大型航空機が展示されており、カフェやミュージアムショップも併設されています。「航空」と「宇宙」という人気のテーマを組み合わせ、豊富な実機展示と体験的な要素を盛り込むことで、専門家からファミリー層まで幅広い人々を引きつける魅力的な施設となっています。
岐阜公園と金華山山頂を結ぶロープウェイ。岐阜城やリス村へのアクセスに便利。ゴンドラからは長良川や岐阜市の街並みを一望でき、夜景も楽しめます。
岐阜城へ続く絶景ロープウェイ
岐阜市の中心部にある金華山の麓、岐阜公園内の山麓駅と、標高329mの金華山山頂駅を約4分で結ぶロープウェイです。岐阜城やぎふ金華山リス村へアクセスするための主要な交通手段となっています。
360度ガラス張りのゴンドラからは、眼下に広がる金華山の豊かな自然林や、眼下を流れる清流長良川、そして岐阜市の街並みを一望できます。四季折々の景色が楽しめ、特に新緑や紅葉の時期は美しい景色が広がります。
山頂駅には展望レストラン「ル・ポン・ドゥ・シェル」やカフェ「テラスコート329」、売店があり、絶景を眺めながら食事や休憩ができます。ゴールデンウィークや夏休み期間などを中心に期間限定で夜間営業も実施され、展望台や岐阜城から美しい夜景を楽しむことができます。ペット(ケージ利用)やベビーカーでの乗車も可能です。金華山山頂へのアクセスを容易にし、手軽に絶景を楽しめることから、岐阜城やリス村と合わせて多くの観光客に利用されています。
下呂温泉南の飛騨川沿いに約28km続く渓谷。奇岩怪石と清流が織りなすダイナミックな景観が魅力。「飛騨・美濃紅葉33選」にも選ばれる紅葉の名所です。
飛騨川沿いの絶景渓谷
下呂温泉の南、下呂市三原地区から金山町まで、飛騨川(益田川)に沿って約28km(七里)にわたって続く渓谷です。飛騨木曽川国定公園に指定されており、急峻な山々と飛騨川の清流が織りなすダイナミックな景観が魅力です。
川の浸食によって形成された奇岩怪石が点在し、屏風岩、羅漢岩、孝子ヶ池、牙岩、円空岩などが見どころとして挙げられます。これらの景観は、国道41号線やJR高山本線の車窓からも楽しむことができます。
四季折々の美しさを見せ、春から初夏にかけては岩壁に自生するツツジが可憐な花を咲かせます。特に秋は「飛騨・美濃紅葉33選」にも選ばれる紅葉の名所として知られ、色とりどりに染まった木々と奇岩、そして川の流れが織りなすコントラストは絶景です。例年の見頃は11月上旬から下旬です。ドライブや鉄道での移動中に気軽に楽しめる景勝地として人気があります。