岩手で外せない観光スポットを厳選してご紹介。
岩手を代表する3つの見どころをピックアップ!
・中尊寺:850年に慈覚大師が開山し、平安美術の宝庫「金色堂」を擁する世界遺産の古刹。奥州藤原氏の祈りが今なお息づきます。
・中尊寺金色堂:1124年建立の純金箔に包まれた霊廟。夜光貝の螺鈿細工が極楽浄土を再現し、ため息がこぼれるほどの華麗さです。
・猊鼻渓:高さ50m超の石灰岩断崖が連なる日本百景の渓谷。竿一本で舟を操る舟下りと、願いを込めて岩壁の小穴に投げ入れる「運玉」が人気です。
850年に慈覚大師円仁が開創し、藤原清衡が壮麗な伽藍を築いた天台宗の大本山。世界遺産にも登録。
敵味方区別なく祀る平泉の浄土思想
藤原清衡は前九年・後三年の役で命を落とした敵味方すべての霊を慰めるため、中尊寺を建立したと言われます。
その発想は「仏国土(浄土)」をこの世に再現する壮大なビジョンに結実し、伽藍の配置にも浄土庭園の意匠が取り入れられました。
金色堂には奥州藤原氏四代の遺骸が納められ、霊廟としての側面も併せ持つ究極の慰霊空間です
1124年建立の中尊寺創建当初のままを伝える国宝。総金箔と螺鈿細工が極楽浄土を現世に再現。
露天に輝き続けた黄金の祠
金色堂は建立当初、風雨にさらされる露天のまま立っており、初覆堂が築かれた1288年まで金箔が耐え抜いた「黄金の社」です。
夜間特別拝観では、内外の金色がまるで星明かりのように静かに揺らめき、平安の極楽絵巻を体感できます。
高さ50m超の石灰岩断崖が続く砂鉄川の渓谷。竿一本で漕ぐ舟下りと船頭の唄が醍醐味。
オーダーメイドの舟唄ライブ
船頭さんは毎便、お客さんの様子や季節に合わせて歌詞をアドリブ。水面に歌声が反響し、断崖がまるで大きな共演者のようにこだまします。
最後に投げ入れる「運玉」投擲は、岩肌の穴に入ると願いが叶うと評判の難関アトラクションです。
磐井川の急流が巨岩を削り出した約2kmの渓谷。空飛ぶ団子が名物のユニークな景勝地。
戦後発案の空飛ぶ団子
1947年、団子を届ける間にお客を待たせないために茶屋主人が考案。竹かごでお茶と団子を吊り下げ、木槌で合図すると空中を滑る“ロープウェイ”が完成しました。
今も創業70年以上、その風情とスリルが地元民の誇りです。
1891年創業、岩手山麓に広がる日本最大級の民間総合農場。牧場体験とソフトクリームが名物。
共創者の頭文字が「小岩井」だった!
創設者は小野義眞・岩崎彌之助・井上勝の3氏。地名ではなく3人の姓から名付けられたことが、今も語り草です。
春には一本桜の夜桜ライトアップが行われ、雪解けの牧野を淡いピンクが包む幻想的な風景が楽しめます。
藤原氏が造営した浄土庭園「大泉が池」を中心に、平安の浄土世界を今に伝える名勝。
池上を舞う曲水の宴
毎年6月、曲水の宴が復刻。詩を詠んだ盃を舟で流し、詩歌と水の流れが優雅に共鳴する光景は、平安貴族の雅をそのまま再現します。
船宿で振る舞われる甘味とともに味わうと、まるで時間旅行をしたかのような趣があります。
盛岡の総鎮守として1062年創建。広大な境内には多彩な社殿が点在し、市民の信仰を集めるパワースポット。
烏帽子岩は創建前からの守り神
境内にそびえる巨大な烏帽子岩は、実は神社建立より古くからここにあり、南部藩主も遷座時にその力を認めたと言われます。
岩に触れるとご利益があるとも伝わり、参拝者は古代から続く大地のパワーを感じながら願いを託します。
毎年開催される流鏑馬神事では、勇壮な騎射が古式ゆかしく披露され、歴史と伝統の息吹を体感できます。
白い小石の浜と流紋岩の奇岩群が織りなす三陸屈指の景勝地。青の洞窟探訪も人気。
極楽浄土になぞらえられた浜辺
江戸期の和尚・竜湖が「ここは極楽浄土のごとし」と称賛。白い浜と青い海のコントラストは、まさに南無阿弥陀仏の世界観を映し出します。
近年完成したガラス床展望台からは、海中の奇岩まで透けて見え、さらに幻想的な体験に。
日本三大鍾乳洞の一つ。透明度世界屈指の地底湖「ドラゴンブルー」を含む洞内探検が魅力。
地底湖深度108mの神秘
ドラゴンブルーと呼ばれる地底湖は深度108m。高い透明度で太陽光が差し込むと、まるで龍が眠る海を覗くような幻想が広がります。
洞内から湧き出る水は「平成の名水百選」にも選ばれ、その清冽さを求めて世界中から研究者も訪れています。
南部氏の居城跡を整備した都市型公園。白い花崗岩の石垣と四季の花々が映える市民憩いの場。
昼間の星屑のように煌めく石垣
盛岡城の石垣に使われた白い花崗岩は、太陽光を受けると結晶が微かにきらめき、まるで昼の星屑が降り注ぐような光景になります。
春は桜、秋は紅葉と共演し、夜間ライトアップでは幻想的な“光の城跡”が出現します。
高層湿原や火山湖沼が広がる国立公園。アスピーテラインや限定絶景「ドラゴンアイ」が人気。
春限定、鏡沼の龍の眼
例年5月下旬から6月初旬のわずか1〜2週間だけ現れる「ドラゴンアイ」は、残雪と雪解け水が織りなす自然のアート。
出現予測カレンダーが地元観光協会から公開され、早朝の静寂の中で神秘を見届ける冒険が楽しめます。
北上川沿いに約2km続く桜並木は「みちのく三大桜名所」のひとつ。遊覧船や馬車で花見が楽しめる。
地元の手で生まれた桜の回廊
展勝地の桜並木は、1920年代に地元の有志たちが「美しい景色を次世代に」と数千本の苗木を植えたのが始まり。
当時の人々は苗木の世話に汗を流し、今や北上川をはさむピンクのトンネルは町民の誇りとなっています。
春風に泳ぐ鯉のぼりと満開の桜が織りなす光景は、まさに「天上の競演」。夜桜ライトアップでは川面に映る花霞が幻想的な世界を演出します。
盛岡地方裁判所前の巨岩の割れ目から育つエドヒガンザクラ。樹齢350~400年、天然記念物に指定。
岩を割って咲く花の生命力
この桜は裁判所の敷地内、分厚い花崗岩の裂け目から芽吹き、年月をかけて岩を押し開いて成長。
凍てつく冬も耐え、春には優雅な薄ピンクの花を咲かせる姿に、訪れる人は毎年「頑張れ!」と声をかけたくなるでしょう。
桜の下で聞こえる裁判所の鐘の音と満開の共演は、盛岡の春を告げる風物詩です。
2011年の大津波で唯一残った高田松原の松。塩害で枯死後も復興のシンボルとして保存処理。
科技と想いで蘇った“希望の樹”
枯死した松をただ残すのではなく、内側をステンレス芯で補強し、人工枝葉でかたちを再現。
地元の「一本松を後世に残したい」という強い想いと、高度な技術が融合した復興モニュメントです。
見上げると、逆境から立ち上がる力強さが胸に迫り、訪れる人の心に深い余韻を残します。
震災から復活した海岸沿いのローカル線。レトロ列車やお座敷列車で海景色を満喫。
『あまちゃん』の北三陸がここ!
2013年のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』舞台のモデル路線として人気急上昇。
全線復旧を果たした復興の証であり、車窓に広がる断崖と漁港風景は、まるで映画のワンシーンのよう。
レトロな車両で揺られながら、地域の温かいおもてなしに触れる旅をどうぞ。
昔ながらの山里を再現した野外博物館。南部曲り家の暮らしや農作業体験が楽しめる。
馬と家族が同居した南部曲り家の知恵
L字型の家屋は馬小屋と居住スペースを一体化し、厳冬から大切な馬を守る生活の知恵が詰まっています。
冬の吹雪をしのぎながら薪ストーブで暖を取り、囲炉裏で馬具を手入れする昔の暮らしに触れると、遠野の民話世界がぐっと身近に感じられるはずです。
1911年竣工、辰野金吾設計の赤レンガ造り洋風建築。重要文化財として当時の面影を伝える。
辰野金吾の東北唯一作
東京駅や日本銀行を設計した辰野金吾が手掛けた、東北地方で唯一現存する赤レンガ建築。
内部見学では大理石の階段やステンドグラスの窓を間近に眺め、明治のモダンデザインを肌で感じられます。
平安時代の政庁や寝殿造りを時代考証で完全再現。大河ドラマのオープンセットが原点。
『炎立つ』のために築かれた本物の平安
1993年のNHK大河ドラマ『炎立つ』撮影用に作られた大規模セットが、そのまま史跡公園として残ったのが始まり。
建物一つひとつに当時の手法が再現され、まるでタイムスリップしたかのような臨場感が楽しめます。
衣装体験では藤原氏の公卿に扮して邸宅を歩けば、貴族の気分で雅なひとときを味わえます。
東北最大級のスキーリゾート。夏はゴンドラ遊覧やゴルフ、自然散策が楽しめるオールシーズンスポット。
パウダースノーの秘密は“北向き斜面”
雪質の良さ「アスピリンスノー」は、傾斜設定と積雪の特性を活かして長くクリーミーな粉雪を維持。
初心者から上級者まで楽しめる多彩なコースは、雪景色の大自然を贅沢に味わうための設計です。
グリーンシーズンには山頂からの眺望を満喫するゴンドラや高原散策ツアーで、別の顔を見せる涼やかなリゾートへ。
『遠野物語』で語られる河童伝説の舞台。小さな祠に手を合わせ、カッパ釣りに挑戦できるスポット。
キュウリ片に願いを込めて
地元では「カッパ捕獲許可証」を買い、キュウリを付けた釣り糸で淵を探る遊び心満点の体験が楽しめます。
実際に釣り上げるのは至難の技ですが、遠野の民話と自然を感じながら、童心に戻るひとときを過ごせます。
高さ200m級の断崖が8kmにわたって連なる「海のアルプス」。展望台と遊覧船で絶景を満喫。
角度ごとに表情を変える断崖美
北山崎には複数の展望台が点在し、東西南北それぞれ違う断崖の絶景を堪能できます。
健脚向け遊歩道で断崖下まで降りると、岩肌に寄せる波の音がダイナミックな自然のドラマを奏でます。
1923年開湯の東北屈指の温泉リゾート。岩露天風呂やバラ風呂など多彩な湯めぐりが楽しめる。
バラの香りに包まれる露天風呂
春には敷地内のバラ園で摘みたての花びらを浮かべる「バラ風呂」が登場。甘い香りに包まれながら贅沢な湯浴みが楽しめます。
宮沢賢治設計の日時計花壇が光る散策路を歩けば、文学の香りと温泉の湯気が交わる特別な時間が過ごせます。
童話作家・詩人宮沢賢治の原稿や愛用品を展示。イーハトーブの風景を感じられる設計が魅力。
ポランの広場に立つ文学の聖地
記念館は賢治が「ポランの広場」と名付けた丘の上に建ち、館内外を巡るだけで童話の世界に飛び込んだような気分に。
周囲の散策路は「銀河鉄道の夜」を思わせる小径が続き、季節ごとの花々と詩の一節がベンチに刻まれています。
童話の世界を体験型で楽しむ施設。「賢治の学校」「賢治の教室」で五感を使って学べる。
五感で味わうイーハトーブ
「賢治の学校」では映像と音響で童話の世界に没入。ログハウス群の「賢治の教室」では、植物や石を触り、星空を見上げ、香りをかぐ五感体験が楽しめます。
芝生広場では野外劇や星座観察会も開催され、子どもから大人まで童心に返れる遊び場です。
801年創建、坂上田村麻呂ゆかりの古刹。切り立つ岩壁に埋まるように建つお堂は圧巻。
清水寺の舞台を模した岩窟堂
毘沙門堂の懸崖造りは京都・清水寺の影響を受けたと伝わり、深い岩窟に浮かぶような造形が特徴。
蝦夷の首領・悪路王を討伐した田村麻呂の伝説が残り、古代東北の歴史ロマンを感じさせます。
岩肌に刻まれた磨崖仏(顔面大仏)は圧倒的な存在感で、訪れる人を神秘の世界へ誘います。
黒く丸い石が碁石のように敷き詰められた海岸線。奇岩や洞窟が続く変化に富んだ名勝。
波に磨かれた天然の碁石たち
海に洗われ続け、丸く黒光りする石はまさに碁石そっくり。打ち寄せる波のリズムでコロコロと音を立てます。
奇岩が連なる断崖絶壁や海蝕洞も見どころ。遊覧船に乗れば海上からダイナミックな風景を眺められます。
名勝指定の海岸を歩けば、自然の造形美に思わず息を呑むことでしょう。