信州でまず外せないハイライトを凝縮してご紹介。
国宝「松本城」
珍しい黒塗り五重六階の天守は戦国の威風そのまま。北アルプスを背にした水鏡リフレクションは“フォトジェニック城郭”の代名詞。天守の急階段67°を制覇すれば城主気分で月見櫓から城下を一望できる。
雲上の楽園「上高地」
穂高連峰と梓川が織り成す標高1,500 mの清涼谷。河童橋から見る朝焼けの焼岳が“天空スクリーンセーバー”級の絶景。遊歩道ではニリンソウやカラマツ林が四季のグラデーションを描き、秋の逆さ穂高は息をのむシンメトリー。
地獄谷野猿公苑「スノーモンキー」
世界で唯一“温泉に入る野生ザル”としてCNNでも話題。湯煙の中でほっと一息つくニホンザルの表情は人間そっくりでSNSバズ必至。冬のマイナス10℃と湯気のコントラストが生む“モノクロ雪見風呂”はここだけの冬景色。
上高地は北アルプス随一の山岳景勝地。透明な梓川と穂高連峰の絶景が楽しめ、雪解けの春から紅葉の秋まで登山や散策の拠点として国内外の観光客で賑わう人気の観光地。
穂高連峰を望む絶景の山岳リゾート
上高地は標高1500m前後の高地に広がる平坦な河川敷で、清流・梓川沿いに美しい景観が続きます。背景には3000m級の穂高連峰と焼岳がそびえ、夏でも涼しく清涼な気候です。
その美しさから1934年に中部山岳国立公園に指定され、1952年には「特別名勝」および「特別天然記念物」に指定されました。またイギリス人宣教師ウォルター・ウェストンがこの地を海外に紹介し、日本アルプスの知名度を高めたことでも知られています。
上高地へのアクセスはマイカー規制のため、麓の沢渡(長野県側)や平湯(岐阜県側)からシャトルバスやタクシーを利用します。象徴的な吊橋「河童橋」周辺にはビジターセンターや山小屋・ホテルが立ち、整備された遊歩道を散策しながら絶景を満喫できます。初夏の新緑から秋の紅葉シーズンには、多くのハイカーが訪れます。
冬季は積雪のため閉山となり、主な観光シーズンは4月下旬から11月中旬までです。朝霧に煙る幻想的な景色や満天の星空に心打たれ、訪れた人々は大自然の神秘に魅了されます。
天岩戸伝説で知られる霊山・戸隠に鎮座する神社。奥社への参道は樹齢数百年の杉並木がそびえ立つ荘厳な雰囲気。五社から成り、戸隠は古くから山岳信仰の霊場とされ、パワースポットとして多くの参拝者が訪れる。
神話と自然が息づく戸隠の杜
戸隠神社は長野市戸隠にある五社から成る神社で、平安時代から続く霊場です。天照大神の岩戸隠れ神話で岩戸を投げ飛ばした場所が戸隠山と伝えられ、その神話ゆかりの地として信仰を集めてきました。
五社はそれぞれ役割が異なり、戸隠山麓に点在しています。中社は開運・学業の神を祀り、宝光社は安産、火之御子社は舞楽の神、九頭龍社は雨乞い、そして最奥の奥社は戸隠大神(天手力雄命)を祀り、心願成就のご利益があるとされます。
中でも奥社へ向かう参道は屈指のパワースポットです。約2kmの道のりの後半には樹齢400年を超える杉並木が延々と続き、その荘厳な雰囲気に心が洗われるようです。奥社に到着すると、そそり立つ戸隠連峰を背にひっそりと鎮まる社殿が出迎えます。
戸隠は修験道の道場としても知られ、周辺には忍者伝説や天狗伝説も残ります。参拝と併せて戸隠そばに舌鼓を打つ観光客も多く、自然と神秘が調和した戸隠神社は四季を通じて多くの人々を惹きつけています。
国宝松本城は日本最古の五重天守を有する名城。黒塗り下見板張りの優美な姿から「烏城」と称され、四季折々に美しい景観を見せる。天守内部も公開され、歴史ファンに人気のスポット。
国宝・松本城の優雅な天守
松本城は安土桃山時代末期から江戸初期にかけて築かれた平城で、五重六階の天守閣を持ちます。現存する天守としては日本最古で、1952年に国宝に指定されました。
漆黒の下見板で覆われた重厚な外観から「烏城(からすじょう)」の異名を持ち、その優雅さと威厳を兼ね備えた姿は多くの人々を魅了します。春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪化粧と、四季ごとに天守を彩る景観も格別です。
天守内は博物館になっており、急勾配の木階段を登りながら城の構造を間近に体感できます。展示では甲冑や火縄銃など戦国〜江戸期の武具が紹介され、歴史的価値の高い城郭として国内外の観光客に人気です。
夜間にはライトアップも行われ、幻想的な雰囲気に包まれます。また夏の太鼓祭りや秋の薪能など、松本城を舞台にしたイベントも開催され、地域のシンボルとして親しまれています。
1400年の歴史を持つ信州善光寺。宗派を問わず参拝者を受け入れる庶民信仰の寺で、一生に一度は善光寺詣りと言われる。暗闇の回廊で極楽の錠前に触れる「お戒壇巡り」など独特の体験も人気。
一生に一度は詣りたい古刹・善光寺
善光寺は長野市にある無宗派の仏教寺院で、飛鳥時代の創建と伝わります。約1400年前にインドから伝わった一光三尊阿弥陀如来像(秘仏)をご本尊とし、「遠くとも一度は詣れ善光寺」と謳われる全国屈指の庶民信仰の寺です。
善光寺は浄土宗と天台宗の両派によって運営されており、本堂は江戸中期再建の堂々たる木造建築で国宝に指定されています。内部は吹き抜けの格天井や荘厳な欄間彫刻で飾られ、歴史的・芸術的価値が高い空間です。
参拝者のお目当ては「お戒壇巡り」という独特の体験です。本堂地下の真っ暗な回廊を手探りで進み、途中で極楽往生の鍵とされる錠前に触れると極楽浄土が約束されると伝えられます。このスリリングな巡礼体験に、多くの人が挑戦します。
7年に一度(次回は2028年)にはご本尊の御分身である前立本尊が一般開帳される「御開帳」が行われ、全国から数百万人の参拝者が訪れます。長い参道には仲見世商店街が連なり、門前町の風情を楽しみながら名物のおやきや七味唐辛子など長野の味覚も味わえます。
標高3067m、霊峰御嶽山。古くから山岳信仰の対象として崇められ、修験者が登拝した信仰の山である。噴煙を上げる活火山の雄大な姿は神秘的な雰囲気に包まれている。
信仰と伝説が息づく御嶽山
御嶽山(おんたけさん)は長野県と岐阜県にまたがる標高3067mの活火山で、日本有数の霊峰です。平安時代には修験道の開祖・役小角(えんのおづぬ)も登ったと伝えられ、江戸時代以降は庶民信仰「御嶽講」によって全国から信者が集う霊場となりました。
山腹には御嶽信仰の行者宿坊が数多く点在し、今なお白装束に身を包んだ行者が山頂を目指して登拝します。朝夕には法螺貝の音が鳴り響き、麓の王滝村や木曽町では神秘的な修験の雰囲気が色濃く感じられます。
御嶽山は2014年に噴火するなど活発な火山ですが、その荒々しさもまた信仰の対象となっています。山頂付近には二ノ池・三ノ池といった火口湖があり、澄んだ青色の水をたたえる姿は神秘そのものです。
夏季には一般登山者も登山が可能で、山頂からは北アルプスや中央アルプスの山並みを一望できます。一方で噴火以降は規制も敷かれており、安全に留意しながら御嶽山の大自然と霊験あらたかな雰囲気を体感することが大切です。
北アルプスの麓に広がる白馬。冬は良質なパウダースノーのスキー天国、夏は高山植物と絶景トレッキングが楽しめ、四季を通じて世界中の観光客を魅了する山岳リゾート。
雄大な北アルプスと四季のアクティビティ
白馬村は長野県北西部、北アルプスの麓に位置する自然豊かな山岳エリアです。村の背後には白馬三山(白馬岳・杓子岳・鑓ヶ岳)をはじめとする3000m級の峰々が連なり、山麓にはのどかな田園風景が広がります。
冬は世界有数のスキーリゾートとして賑わい、1998年の長野冬季オリンピックではジャンプ競技などが開催されました。良質なパウダースノーを求め多くの外国人スキーヤーも訪れ、国際色豊かな雰囲気です。
グリーンシーズンには高山植物咲くトレッキングや登山が人気です。ゴンドラでアクセスできる八方尾根からは、山頂近くにある鏡池に映る白馬連峰の絶景が楽しめます。大出公園の吊橋から望む北アルプスや青木湖のアクティビティなど、自然を満喫する楽しみが満載です。
春には新緑、秋には紅葉と、四季折々に異なる表情を見せます。温泉や郷土料理も充実しており、季節を変えて何度でも訪れたくなる魅力があります。
中央アルプス駒ヶ岳の山腹に広がる氷河地形の絶景。日本一高い地点まで登るロープウェイで気軽にアクセスでき、高山植物のお花畑や雲海に浮かぶ雄大なパノラマが楽しめる。
天空のお花畑「千畳敷カール」
千畳敷カールは、中央アルプス木曽駒ヶ岳(標高2956m)の山腹約2600m地点に広がる半円形の谷地形です。約2万年前の氷河によって削り取られてできたもので、日本では数少ない氷河地形の一つとして知られます。
駒ヶ根市から駒ヶ岳ロープウェイで標高差950mを一気に上ると、わずか7分で千畳敷駅(標高2612m)に到着します。このロープウェイは日本一高い場所にある駅としても有名で、手軽に高山帯の景観を味わえることから人気の観光コースになっています。
夏には高山植物の可憐な花々が咲き乱れ、お花畑と残雪のコントラストが美しいです。遊歩道を散策しながら、宝石のように色とりどりのコマクサやチングルマなどを見ることができます。
秋には山肌が紅や黄に彩られた絶景の紅葉が広がり、晴れた日には遠く富士山を望むこともできます。運が良ければ一面に広がる雲海に浮かぶ雄大な峰々を見下ろすことができ、まさに天空の楽園のような体験ができます。
志賀高原は標高1500~2000m級の山岳高原地域。大小の池や湿原が点在する。夏は避暑やトレッキング、冬は上質な雪のスキーで賑わい、四季折々に自然を楽しめる。
日本最大級の高原リゾート
志賀高原は長野県北東部、上信越高原国立公園内に位置する広大な高原です。標高は約1500~2000mで、火山活動で生じた大小70以上の池塘や湿原が点在し、大自然の宝庫となっています。
夏は高原の涼しい気候の中、トレッキングやハイキングが盛んです。木道が整備された湿原ではニッコウキスゲやワタスゲなどの高山植物が見られ、志賀山や岩菅山への登山も人気です。
冬はスキー天国となり、エリア内に19ものスキー場が広がります。良質なパウダースノーで知られ、1998年の長野冬季オリンピックではアルペンスキー競技の会場となり、その名が世界に知られました。ゲレンデ間は共通リフト券で行き来でき、一帯が巨大なスノーリゾートとなります。
志賀高原は2014年にユネスコエコパーク(生物圏保存地域)にも登録されました。四季折々に変化する雄大な自然景観と生態系を守りつつ、観光と共生するモデル地域として注目されています。
八ヶ岳中信高原国定公園内を縫う全長76kmの絶景ドライブルート。車窓から霧ヶ峰や美ヶ原など高原の雄大なパノラマが広がり、四季折々に爽快なドライブが楽しめる。
高原を貫く日本有数のドライブルート
ビーナスラインは、長野県中部の諏訪〜上田地域を結ぶ全長約76kmの観光道路です。蓼科高原・霧ヶ峰・美ヶ原高原といった標高1400~2000m級の高原地帯を貫き、ドライバーから絶景ロードとして親しまれています。
沿道にはビュースポットが点在し、車窓からは八ヶ岳や北アルプスまで望む大パノラマが広がります。霧ヶ峰高原では夏にニッコウキスゲ(ゼンテイカ)の黄色い花が一面に咲き、緑の草原を彩ります。美ヶ原高原では放牧された牛たちが草原にのどかな風景を演出し、丘の上の「美しの塔」から360度の大展望が望めます。
春は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、四季ごとに異なる表情を見せるのも魅力です。特に秋の紅葉シーズンには山肌が鮮やかな赤や黄に染まり、多くの観光客が絶景ドライブを楽しみに訪れます。
途中には白樺湖や女神湖などの湖畔、温泉施設や展望台、道の駅など休憩スポットも充実しています。ドライブ好きのみならず、ツーリングやサイクリングのコースとしても人気を集めています。
避暑地文化を今に伝えるレトロ商店街。石畳に並ぶパン屋とジャム専門店は夏の朝 7 時から行列です。
宣教師と皇族が育んだ“ハイカラ銀座”
明治時代に外国人宣教師が別荘や教会を建てたことで、西洋パンやブルーベリージャムが軽井沢名物になりました。
昭和に入ると皇族の御用邸が完成し、上流階級の避暑客が急増しました。そのニーズに応える形で高級カフェやブティックが軒を連ね、現在の旧軽銀座が誕生しました。
通りの奥にあるショー記念礼拝堂は 1905 年築の木造ゴシック教会です。赤い三角屋根と白壁が映えるフォトスポットとして人気を集めています。
夏のピーク時は 1 日 2 万人が訪れますが、早朝は静かに森の朝靄を楽しめます。焼き立てバゲットをテイクアウトして、並木道でピクニックするのがおすすめです。
信州最大の湖。夏は 4 万発の花火、冬は氷の山脈「御神渡り」と四季折々の顔を持ちます。
氷が割れて神が渡る湖
厳冬期に全面結氷すると、昼夜の寒暖差で氷が盛り上がり、長さ数キロの氷脈「御神渡り」が出現します。神職が氷脈の形を鑑定し、その年の吉凶を占う神事が続いています。
8 月 15 日には諏訪湖祭湖上花火大会が開かれ、ワイドスターマインや水上スターマインが湖面を彩ります。打ち上げ数は国内屈指の 4 万発で、観客は 50 万人に達します。
湖畔には全長 16 km のサイクリングロードが整備され、レンタサイクルで 1 周 90 分ほど。ほぼ平坦なので初心者やファミリーでも安心して走れます。
周辺には諏訪大社や片倉館など文化スポットも点在します。湖上クルーズや足湯に立ち寄りながら、ゆったりと諏訪の歴史に触れてみてください。
長野県渋温泉近郊にある地獄谷野猿公苑。世界でも珍しく、厳冬の雪景色の中で温泉に浸かる野生ザルを間近に観察でき、その愛らしい姿は海外からも人気を集めている。
雪見風呂を楽しむ野生のサル
地獄谷野猿公苑は、山ノ内町の奥山に位置し、野生のニホンザルが自然の露天風呂に入る光景で知られます。「スノーモンキー」の愛称で親しまれ、冬になると真っ白な雪景色の中、湯気立つ温泉に浸かる姿を観察できます。
標高850mの地獄谷温泉は、冬季は気温が氷点下10℃以下にもなる厳しい環境です。猿たちは寒さをしのぐため温泉に入り始めたとされ、その光景が1960年代に写真で紹介されると世界的に有名になりました。
公苑へは積雪期にはスノーブーツを履いて徒歩約30分の道のりです。冬以外の季節にも訪れることができ、川で遊ぶ元気な猿の姿や、新緑や紅葉に包まれた渓谷美を楽しめます。
間近で観察しても猿は人間に慣れており、自然の生態をじっくり観察できます。ただし餌を与えることは禁止され、野生の姿をそっと見守ることが求められます。
野沢温泉は13箇所の外湯(共同浴場)を巡る湯めぐりが楽しい昔ながらの温泉街。冬はスキーでも賑わい、1月の勇壮な火祭り(道祖神祭り)が有名で、伝統を今に伝えている。
外湯めぐりと火祭りで知られる湯の里
野沢温泉は長野県北東部に位置する山あいの温泉郷です。開湯は奈良時代ともいわれ、江戸時代には湯治場として多くの人々に親しまれてきました。
温泉街には無料で入れる共同浴場「外湯」が13か所あり、昔ながらの湯めぐりを体験できます。木造りの小さな湯小屋は風情にあふれ、湯煙の漂う石畳の路地を浴衣で巡る情景はまさに日本の原風景です。
源泉は硫黄成分を含む少し熱めのお湯で、飲泉も可能です。温泉街名物の野沢菜漬けはこの温泉熱を利用して作られており、温泉と食文化が結びついた土地柄でもあります。
冬は国内有数のスキーリゾートとして外国人客も多く訪れます。そして毎年1月15日に行われる「道祖神祭り」(火祭り)は、無病息災や豊作を願う勇壮な伝統行事で、巨大な社殿を燃やす迫力ある光景が見どころです。
諏訪湖周辺に四社から成る諏訪大社は、日本最古級の神社の一つ。御柱祭で知られる勇壮な神社で、本宮・前宮・春宮・秋宮それぞれに巨大な木柱が立つ独特の信仰形態を持つ。
諏訪の地を守る四社の総鎮守
諏訪大社は諏訪湖を挟んで上社(本宮・前宮)と下社(春宮・秋宮)の四社からなる神社で、その総称です。創建は不詳ですが、日本神話にも登場する古社で、日本最古の神社の一つに数えられます。
御祭神は建御名方命(タケミナカタノミコト)と八坂刀売命で、建御名方命は出雲の国譲り神話に登場する武神です。古来より風、水、農耕の神として諏訪一帯の守護神となり、武家からも勝利の神として信仰されてきました。
諏訪大社の最大の特徴は7年に一度の御柱祭です。山から切り出した巨木を社殿四隅に建てる勇壮な神事で、約1200年続く伝統行事として知られます。各社境内には常時高さ10mを超える御柱がそびえており、その迫力に圧倒されます。
上社本宮では本殿を持たない「諏訪造り」と呼ばれる独特の社殿様式も見どころです。四社それぞれに趣が異なり、春宮・秋宮には高さ約17mの下社御柱、上社前宮には御手洗川と杜の静寂が広がります。諏訪地域の総鎮守として、多くの参拝者が四社を巡拝しています。
渋温泉は石畳と木造旅館が軒を連ねる歴史ある温泉街。9つの外湯めぐりが人気で、浴衣姿でのんびり湯巡り散策が楽しめる。地獄谷野猿公苑への観光拠点としても賑わう。
ノスタルジックな湯巡りの町
渋温泉は山ノ内町にある開湯1300年以上の歴史を誇る古湯です。江戸時代には湯田中温泉と並び湯治客で賑わい、文豪や画家たちも滞在した記録が残っています。
細い石畳の路地に沿って木造三階建ての旅館が立ち並び、昔懐かしい温泉情緒が色濃く残っています。街には9つの外湯(共同浴場)が点在し、宿泊客は鍵を借りて自由に湯巡りを楽しむことができます。
夜になると下駄を鳴らしながら浴衣姿でそぞろ歩く人々の姿が風情を醸し出します。全ての外湯を制覇すると満願成就のお守りがもらえるなど、遊び心ある仕掛けも人気です。
映画「千と千尋の神隠し」の油屋のモデルとも噂される老舗旅館「金具屋」をはじめ、趣の異なる宿が揃います。近隣の地獄谷野猿公苑へ向かう観光客の拠点にもなっており、海外からの旅行者にも人気の温泉街です。
火山伏流水が幅 70 m にわたり湧き出すカーテン状の滝。夏のライトアップは幻想的です。
雨でも濁らない純白のレース
落差は 3 m と控えめですが、滝幅が広く絹糸のような水筋が一面に広がります。地下水由来のため雨後でも濁らず、年間を通じて透明度が高いのが特徴です。
滝壺周辺はマイナスイオン濃度が高く、夏でもひんやりとした空気が心地よく感じられます。散策路は平坦で、サンダルでもアクセスしやすいのが魅力です。
7 月から 8 月の夜にはライトアップイベントが行われ、青や紫の光に照らされた滝が幻想的な雰囲気を醸し出します。
滝までの旧軽井沢・白糸ハイランドウェイには展望台やドライブインが点在し、浅間山や高原の景色を楽しみながらドライブできます。
奈良井宿は江戸時代の町並みが残る木曽路の宿場町で、街道随一の長さを誇る。軒を連ねる古民家や格子窓の町家が当時の面影を伝え、歴史散策と伝統工芸品の買い物が楽しめる。
中山道随一の風情を残す宿場町
奈良井宿は中山道六十九次のうち江戸から数えて34番目の宿場で、長野県塩尻市に位置します。標高は900m近く、難所・鳥居峠を控えた場所にあり、旅人で大いに賑わった宿場町でした。
全長1km以上にわたって江戸時代さながらの町並みが保存され、「日本最長の宿場町」として知られます。黒光りする板塀の古民家や格子造りの商家が軒を連ね、往時の面影を色濃くとどめています。
現在も住民が暮らす生きた町であり、木曽漆器や宿場ならではの民芸品を扱うお店、カフェや食事処などが点在します。散策しながら、名物の五平餅や草餅など食べ歩きを楽しむのも醍醐味です。
奈良井宿の北端には日本最古級の木造橋「奈良井川橋(木曽の大橋)」が架かり、宿場の風景に趣を添えています。また毎年6月には「奈良井宿場祭り」が開催され、江戸時代の衣装行列などで賑わいます。
阿智村は「星空日本一」に輝いた長野県南部の山村。満天の星を鑑賞するナイトツアーが人気で、標高1400mの展望台へロープウェイで上り、天の川や流れ星に包まれる感動体験ができる。
満天の星空に出会えるナイトツアー
阿智村は長野県南部に位置する山あいの村で、環境省の星空継続観察で「星が最も輝いて見える場所」の第1位に選ばれたことがあります。標高1200m前後の高地に集落が点在し、街明かりが少ないため空気の澄んだ夜空に無数の星が瞬きます。
人気の「天空の楽園ナイトツアー」では、富士見台高原ロープウェイに乗って標高1400mの展望台へ上ります。夏季を中心に開催され、満天の星空の下、専門スタッフの星座解説を聞きながら天の川や無数の星々を観察できます。
ツアーでは星空観察用のリクライニングシートに寝転んで、プラネタリウムのような自然の星空を満喫できます。運が良ければ流星群の流れ星が次々と夜空を横切り、参加者から歓声が上がります。
ふもとの昼神温泉とセットで楽しむ観光客も多く、温泉でゆったり体を温めたあと澄んだ星空を眺めれば、心身ともに癒されるでしょう。都会では味わえない感動的な星空体験ができるスポットとして注目を集めています。
真田氏が築いた上田城は、徳川軍を二度撃退した逸話で知られる戦国の名城。その城跡は公園として整備され、櫓門や石垣が往時を偲ばせる。春には桜の名所として多くの花見客で賑わう。
徳川軍を退けた不落の名城
上田城は1583年に真田昌幸によって築かれた平城です。東西に流れる千曲川と砥川に挟まれた天然の要害に位置し、難攻不落の城としてその名を轟かせました。
1585年と1600年の二度にわたり、真田軍は徳川の大軍をこの城で撃退しています。特に第二次上田合戦では関ヶ原へ向かう徳川秀忠軍を足止めし、戦国史に残る勝利として語り継がれています。
現在、城跡は「上田城跡公園」として整備され、当時の石垣や土塁が良好な状態で残ります。再建された櫓門(二の丸東虎口櫓門)や櫓(三階櫓)が往時の面影を伝え、敷地内には真田神社も祀られています。
春は約1000本の桜が咲き誇る花見の名所となり、多くの観光客で賑わいます。秋には紅葉、冬には雪景色と四季折々の風情が楽しめ、歴史と自然が調和した憩いの場となっています。
真田氏の城下町として栄えた松代。松代城跡や真田邸など江戸期の史跡が多く残り、武家文化の香りが漂う。長野市郊外の静かな城下町で、歴史散策や郷土館巡りが楽しめる。
真田十万石の城下町・松代
松代は長野市南部に位置し、江戸時代には真田氏10万石の城下町として栄えました。真田信之(幸村の兄)が初代藩主として松代藩を治め、以来明治まで真田家の居城が置かれました。
松代城(海津城)は川中島の戦いの舞台にもなった戦国の城で、真田氏入封後に松代城と改称されました。現在は城跡として本丸土塁や石垣、水堀が残り、復元された太鼓門や橋が往時の雰囲気を伝えています。
城下町には武家屋敷や古建築が点在し、真田邸(真田宝物館)や文武学校など見どころが豊富です。真田邸は江戸後期の大名屋敷で、国の重要文化財に指定されています。
他にも藩校「文武学校」や旧家老屋敷、松代藩ゆかりの寺社が残り、歴史情緒あふれる街並みを散策できます。秋には松代藩真田十万石まつりが開催され、甲冑隊のパレードなどで賑わいます。
信州最古の温泉とも称される別所温泉。開湯伝説は古代に遡り、戦国武将や文人にも愛された名湯。趣ある共同浴場や古刹巡りが楽しめ、静かな温泉街に癒やしの時間が流れる。
古くから湯治客に愛された信州最古の湯
別所温泉は上田市郊外にある小さな温泉町で、その歴史は古代まで遡ると言われます。「信州の鎌倉」とも呼ばれ、平安時代にはすでに温泉が湧いていたとの伝承があります。
戦国時代には上田城主・真田氏や武田信玄も訪れたと伝わる名湯で、昔から湯治場として栄えました。硫黄を含む柔らかな泉質で、傷を癒す効能があるとされ、多くの文人墨客も逗留しました。
温泉街には共同浴場が3軒あり、地元住民と観光客が湯浴みを楽しんでいます。「大湯」「大師湯」「石湯」とそれぞれ趣の異なる浴場で、ノスタルジックな木造建築の雰囲気を味わえます。
周辺には国宝の八角三重塔を擁する安楽寺や北向観音など歴史的な寺社も点在し、温泉と併せて古刹巡りが人気です。喧騒から離れた静かな山あいの温泉街で、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
妻籠宿は電柱やネオンのない江戸情緒あふれる町並みが日本で初めて保存された宿場町。往時の旅籠や資料館を見学しながら石畳の坂道を歩けば、まるで時代を遡ったかのような感覚を味わえる。
江戸にタイムスリップしたような宿場町
妻籠宿は中山道の江戸から数えて42番目の宿場で、長野県南木曽町に位置します。山あいの谷間にひっそりと佇む小さな宿場町で、明治以降は交通の要衝から外れ、一時期は廃墟同然となっていました。
しかし昭和40年代に地元住民が一丸となって保存運動を展開し、日本で初めて町並み全体を保存した観光地となりました。電線を地中化し、看板や自動販売機も景観に配慮するなど、江戸当時の風情を極力再現しています。
妻籠宿には当時の旅籠だった「本陣・脇本陣」が復元公開され、大名や高官が宿泊した部屋や調度品を見ることができます。また資料館では中山道や宿場の歴史を学ぶことができ、往時の暮らしに思いを馳せることができます。
石畳の坂道に沿って土産物屋や茶屋が並び、五平餅や栗きんとんなど木曽路の名物を味わうことも楽しみの一つです。妻籠から馬籠宿(岐阜県)へのハイキングも人気で、江戸の街道歩きを体験できます。
毎年8月15日に諏訪湖畔で開催される日本最大級の花火大会。約4万発もの花火が夜空と湖面を彩り、直径500mに開く水上スターマインやナイアガラの滝など迫力満点。
湖上に咲く4万発の大輪
諏訪湖祭湖上花火大会(すわこまつり こじょうはなびたいかい)は、毎年8月15日に諏訪市の諏訪湖で開催される全国有数の花火大会です。戦後まもなく始まり、80年以上の歴史を持つ伝統行事となっています。
最大の特徴はその打ち上げ規模で、約4万発もの花火が夜空を埋め尽くします。諏訪湖ならではの「水上スターマイン」は湖面近くから扇状に花火が噴き出し、直径500mにも達する大輪が次々と咲き乱れる様子は圧巻です。
他にも全長2kmに及ぶナイアガラの滝仕掛け花火や、湖面に半円状の大玉を映す水中花火など、多彩な演出が観客を魅了します。特にクライマックスの大スターマイン連発では湖畔全体が昼間のような明るさになるほどで、大歓声が沸き起こります。
毎年50万人以上の人出があり、有料観覧席や湖畔の至る所で観客が夏の夜空を見上げます。山に囲まれた地形のため花火の音響が反響し、体に響く轟音も迫力満点。信州の夏を代表する一大イベントとして定着しています。
草間彌生の作品世界が広がる松本市美術館。入り口の巨大な水玉カボチャがお出迎えし、館内では草間作品の常設展示が楽しめる。郷土ゆかりの作家の展覧会も開催され、現代アート好き必見のスポット。
草間彌生アートが彩る美術館
松本市美術館は2002年に開館した市立美術館で、松本市出身の世界的芸術家・草間彌生の作品を多数所蔵しています。館の入口には草間の代表モチーフである巨大な水玉模様のカボチャのオブジェが設置され、訪れる人々を鮮やかに出迎えます。
館内では草間彌生の色鮮やかな絵画や立体作品が常設展示され、その独創的な世界観に浸ることができます。また館内の随所に草間デザインのインスタレーションが施され、トイレの鏡や自動販売機まで水玉模様に彩られています。
松本市美術館では草間以外にも郷土ゆかりの作家の作品を収蔵しています。日本画の巨匠・山本鼎や版画家・秋山巌などの企画展や、市民アートの展示など、多彩な芸術プログラムが展開されています。
周辺には喫茶店やショップもあり、美術館鑑賞の合間に休憩できます。JR松本駅から徒歩10分ほどとアクセスも良く、松本観光の際にはぜひ立ち寄りたい文化スポットとなっています。
立山黒部アルペンルートは北アルプスを貫く壮大な山岳観光ルート。ケーブルカーやロープウェイを乗り継いで標高2450mの室堂まで登り、春の雪の大谷(高さ20mの雪壁)や夏の黒部ダムの大放水など、四季折々の絶景を満喫できる。
乗り物で巡る絶景アルプス横断
立山黒部アルペンルートは長野県大町市の扇沢と富山県立山町を結ぶ、全長37.2kmの山岳観光ルートです。標高3000m級の北アルプス山脈を貫き、1971年の開通以来、多くの観光客が雄大な山岳風景を求めて訪れています。
ルート上ではケーブルカー、高原バス、トンネル無軌条電車(トロリーバス)、ロープウェイ、そして登山電車など6種類の乗り物を乗り継ぎます。最高地点の室堂(むろどう、標高2450m)では雪渓や火山地形が広がり、高山帯の絶景を間近に体感できます。
春(4~6月)の名物は「雪の大谷」で、除雪によって両側に高さ20mもの雪壁がそびえ立つ壮観な光景です。夏(7~8月)は緑まぶしい高原と黒部ダムの大迫力の観光放水、秋(9~10月)は山肌を彩る紅葉と、季節ごとに異なる絶景が楽しめます。
中でも黒部ダム(高さ186m)は日本一高いダムで、6~10月に行われる観光放水では毎秒10トン以上の水が放出される様は圧巻です。ルート全体で標高差は約2000mあり、変化に富んだ自然環境と乗り物体験を一度に味わえる稀有なコースとなっています。
7年に一度、諏訪大社で開催される勇壮な木落し祭り。山から切り出した巨木柱(御柱)を斜面から人が乗ったまま滑り落とし、社殿の四隅に建て替える壮大な神事で、「天下の大祭」と称される。
7年に一度の天下の大祭
御柱祭(おんばしらさい)は長野県諏訪地方で7年に一度(寅と申の年)行われる諏訪大社の御柱大祭です。創始は平安時代以前とも言われ、1000年以上続く日本屈指の歴史ある祭礼として知られます。
祭りでは山中から樹齢150年を超えるモミの大木16本を切り出し、それらを人力で各社まで曳行します。最大で直径1m、長さ17m、重さ10トンを超える丸太を、数百人が綱を引いて里へと引き下ろす様子は圧巻です。
見どころは「木落し(きおとし)」と呼ばれる勇壮な場面で、急斜面に丸太を落とし、若者たちがその上にまたがって滑り降ります。丸太が土煙を上げながら斜面を疾走し、乗り手が振り落とされる様は迫力満点で、世界でも類を見ない勇ましい光景です。
その後、御柱は社殿の四隅に建てられ、次の7年間諏訪大社の守り柱となります。地元では「おんばしら」と発音し、地域の誇りとして世代を超えて受け継がれる勇壮な祭りです。
毎年1月15日に行われる野沢温泉の火祭り。厄年の男衆が高さ18mの社殿を作り、集落総出でこれに火を放つ勇壮な小正月行事。
炎と男衆がぶつかり合う豪快な火祭り
野沢温泉の道祖神祭り(どうそじんまつり)は、毎年1月15日に開催される日本有数の火祭りです。300年以上の伝統を持ち、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
祭りの主役は42歳と25歳(厄年)の男性たちで、彼らが村のために高さ約18mの社殿(神社の仮御神体)を木材で組み上げます。当日はその社殿を巡り、火をつけようとする若者衆と必死に防衛する厄年衆との激しい攻防戦が夜を徹して繰り広げられます。
火の粉が舞う中、たいまつを持った男たちが「ヨイヨイ」(火つけ側)と「ナンヨ」(守り側)と叫びながらぶつかり合う様子は迫力満点です。最後には社殿が火に包まれ、炎柱が夜空を焦がすクライマックスに、見物客から大きなどよめきが上がります。
この祭りは豊作や無病息災、良縁を祈願する小正月行事として伝承されてきました。長野県内外から多くの観光客がこの迫力ある伝統行事を一目見ようと訪れ、冬の野沢温泉を熱く盛り上げます。
日本三大桜名所の一つ、高遠城址公園の桜まつり。約1500本の薄紅色のタカトオコヒガンザクラが咲き誇り、公園全体が桜色に染まる様子は圧巻。
一面に咲く薄紅の桜の絶景
高遠城址公園(たかとおじょうしこうえん)は長野県伊那市高遠町にあり、「日本三大桜名所」の一つに数えられる桜の名勝地です。江戸時代の高遠藩主内藤氏が城内に植えさせた桜が始まりとされ、その後地域のシンボルとして守り継がれてきました。
園内には約1500本ものタカトオコヒガンザクラが植えられ、開花期には山全体が薄紅色の桜霞に包まれます。他の桜に比べて小ぶりで濃い紅色の花びらが特徴で、その密集した咲きぶりは「天下第一の桜」と称賛されています。
毎年桜の見頃に合わせて「高遠桜まつり」が開催され、多くの花見客で賑わいます。園内の高台から見下ろす一面の桜花や、散り始めに花びらが舞う様子など、訪れた人々は息をのむ美景に魅了されます。
夜間は桜がライトアップされ、闇夜に浮かぶ幻想的な夜桜も必見です。柔らかな提灯の灯りに照らされた桜並木を散策すれば、昼間とはまた異なる幽玄な雰囲気を楽しむことができます。
長野県は日本有数のそば処。澄んだ水と寒暖差ある高原気候が良質な蕎麦を育み、「信州そば」として全国に名高い。戸隠や木曽路など地域ごとの独自のそば文化があり、香り高い蕎麦の味を求めて食通が訪れる。
香り高い信州そばを堪能
信州(長野県)は日本でも有数のそばの名産地です。冷涼な高原気候とおいしい水に恵まれ、古くから各地で良質な蕎麦が生産されてきました。江戸時代には中山道の宿場などで供された信州そばが評判となり、その名が全国に広まったと言われます。
信州そばの特徴は、喉ごしの良さと豊かな香りです。一般的に蕎麦粉8割・つなぎ2割の「二八そば」が主流で、つゆに薬味のネギや山葵を少し入れて麺の風味を楽しむスタイルが好まれています。
地域ごとに個性的なそば文化が根付いています。戸隠そばは細打ち麺を独特のぼっち盛りで供し、薬味に辛味大根を使うのが特徴です。木曽では山深い土地ならではの太めで素朴な田舎そばが親しまれ、わさびではなく唐辛子を薬味にする地域もあります。
また、各地にそば打ち体験施設があり、自分で蕎麦を打って味わうこともできます。秋の新そばの季節には香りが一段と際立ち、信州そばを求めて県外から訪れる食通も少なくありません。
北斎ゆかりの町・小布施。葛飾北斎の肉筆画を展示する北斎館や美術館が点在し、江戸文化の香りが漂う。栗菓子でも有名で、町中にカフェや蔵造りの店舗が立ち並び、食とアートの散策が楽しめる。
葛飾北斎と栗菓子の町
小布施町は長野県北部にある小さな城下町で、江戸時代には豪商の町として栄えました。葛飾北斎が晩年を過ごした地として知られ、北斎自らが描いた祭り屋台の天井絵など、北斎ゆかりの文化財が残ります。
町の中心には北斎館をはじめ、栗の小径美術館やおぶせミュージアムなど複数の美術館が点在します。北斎館では有名な肉筆画「怒涛図」や祭屋台の天井絵などを展示し、その偉大な芸術に触れることができます。
小布施は栗の名産地でもあり、栗菓子や栗おこわが名物です。町中には老舗の栗菓子店や洗練されたカフェが点在し、食べ歩きやスイーツ巡りも楽しみの一つです。
町並みは江戸から明治期の土蔵造りの建物や石畳道が残り、落ち着いた和の雰囲気が漂います。四季折々に花壇や街路樹が彩りを添え、散策するだけでも心癒される小さな文化の薫る町です。
松本城の城下町、中町・縄手通りは、土蔵造りの商家が並ぶレトロな商店街。カエルの置物が迎える縄手通りや白壁の中町通りに、工芸品の店やカフェが軒を連ね、食べ歩きやお土産探しに人気だ。
城下町の風情漂うショッピングストリート
中町通りと縄手通りは松本市中心部にある城下町の商店街で、歴史的な町並みと個性豊かな店舗が魅力です。中町通りは江戸から明治期にかけて商人町として栄えた地区で、白壁土蔵造りの建物が立ち並び落ち着いた風情があります。
一方の縄手通りは女鳥羽川沿いにある短い通りで、カエルをシンボルにしたユニークな商店街です。通り入口の四柱神社には「蛙大明神」が祀られ、道沿いの至る所にカエルの置物や絵が飾られており、「カエルの街」として親しまれています。
両通りにはアンティークショップや工芸品店、地元グルメを味わえる飲食店などが軒を連ねています。松本民芸家具や漆器、陶器といった伝統工芸から、カエルグッズやレトロ玩具まで、多彩な商品が並び散策するだけでも楽しいエリアです。
食べ歩きも人気で、縄手通りでは揚げたての「たこ焼き」や「カエルまんじゅう」、中町では老舗洋菓子店のスイーツなどを味わえます。松本城観光の合間に立ち寄りたい、城下町情緒あふれるショッピングスポットです。
北アルプスの湧水に育まれる広大なわさび農場。清流が巡る畑一面にわさび田が広がり、散策しながら栽培風景が見学できる。収穫したてのわさびを使ったソフトクリームやわさび丼など名物グルメも人気。
清流に息づく本わさびの里
大王わさび農場は長野県安曇野市にある日本最大規模のわさび栽培農場です。面積15ヘクタールにも及ぶ敷地に湧水を利用したわさび田が広がり、その光景は安曇野を代表する風物詩となっています。
農場内は自由に見学でき、清流が張り巡らされた畑で緑鮮やかなわさびが育つ様子を間近に観察できます。水車小屋が点在する風景はどこか牧歌的で、清冽な水の音とともに心癒されるひとときを過ごせます。
園内には直売所や食事処もあり、新鮮なわさびを使った名物グルメが楽しめます。中でもわさびソフトクリームはピリッとした辛みと甘さの意外な調和が人気で、ここでしか味わえない逸品です。わさびコロッケやわさびビールなどユニークなメニューも揃います。
映画のロケ地としても知られ、黒澤明監督の「夢」では水車のある風景が登場しました。北アルプスを背景に広がるのどかな農場は、信州の食と自然の恵みを体感できる観光スポットとして年間を通じて多くの人が訪れます。
中山道の難所を彩った 3 宿場。石畳と黒格子の町並みが連続し、江戸情緒がそのまま残ります。
“売らない・貸さない・壊さない”町並み保存
妻籠宿は 1970 年代に住民が自主的に保存憲章を作成し、日本初の町並み保存運動を実現しました。電柱を地中化し、看板は木製に統一するなど徹底した景観保護が行われています。
石畳の坂道が続く馬籠宿は島崎藤村の生家があり、小説『夜明け前』の舞台として知られます。傾斜地ゆえに家並みが階段状に重なり、山並みと宿場の全景が一望できます。
奈良井宿は“日本最長の宿場町”と呼ばれ、1 km 以上にわたって町家が連続します。漆器や曲物など木曽漆器の工房が軒を連ね、旅人は匠の技を間近で見学できます。
宿場間には整備されたハイキングコースがあり、飛脚や大名行列が歩いた石畳の旧街道をたどるウォークが人気です。途中の一石栃立場茶屋で木曽ヒノキの香りに包まれた休憩も楽しめます。
北アルプスの雪解け水が生む透明度抜群の 3 連湖。SUP・カヤック・ワカサギ釣りが一年中楽しめます。
湖ごとに違う個性を満喫
青木湖は長野県で最も深い湖で、水深 58 m の碧い水が北アルプスを鏡のように映します。早朝の無風時には逆さ白馬連峰が現れ、カヤッククルーズが人気です。
中綱湖は 6 月になると水面を埋め尽くすヒメシャガ・スイレンが咲き誇ります。湖岸には桜も多く、春は花のリフレクションが楽しめます。
木崎湖はワカサギの名所で、冬はドーム船、夏はボートで釣りを満喫できます。近年はアニメ『おねがい☆ティーチャー』の聖地巡礼スポットとしても注目されています。
湖畔のサイクリングロードは 1 周 15 km。白樺林の中を走るコースでレンタサイクルも充実し、観光客でも気軽にトライできます。
水面に戸隠連峰を映し出す“天然ミラー”。特に紅葉期は一面が燃えるような赤と金に染まります。
風速ゼロが生む奇跡のリフレクション
早朝 6 時から 8 時は湖面が最も静まり、戸隠連峰と紅葉が水面にくっきり映ります。霧が晴れる瞬間を狙うカメラマンで湖畔が賑わいます。
湖岸の遊歩道は 20 分ほどで周回可能です。途中にはブナ林が広がり、夏でも涼しい木陰で森林浴が楽しめます。
近くの戸隠蕎麦店では、湧水で締めた手打ちそばと山菜天ぷらが人気です。撮影後の朝ごはんにぴったりです。
秋のピーク時はマイカー規制が実施されることがありますので、公式サイトで交通情報を確認してから出かけると安心です。
標高 1,289 m の山頂テラスから白馬三山を一望。ブランコとパンオショコラが“映え”の定番です。
山頂カフェで雲海モーニング
ゴンドラは 8 分で山頂に到着します。デッキ「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR」では世界的ベーカリーのクロワッサンを堪能しながら雲海を眺められます。
パノラマブランコ「ヤッホー!スウィング」は谷へ漕ぎ出すスリルが人気で、SNS で一躍話題になりました。
夏は国内最大級の常設 MTB ダウンヒルコースがオープンし、標高差 521 m を一気に駆け下りられます。レンタルバイクも完備です。
冬はスキー場として営業し、山頂テラスが雪原カフェに変身します。愛犬同伴可能なゴンドラもあり、四季を通じて楽しめるリゾートです。
天竜川が刻んだ大峡谷。奇岩怪石と急流を、遊覧船と“そらさんぽ天龍峡”歩行橋から一望します。
昇龍峡と 80 m 空中散歩
川が大きくS字に屈曲する「昇龍峡」では、水面に映る岩肌が龍の胴体のように見え、春は桜、秋は紅葉が龍鱗を彩ります。
2019 年に開通した歩行者専用橋「そらさんぽ天龍峡」は高さ 80 m。真下に遊覧船が通り、空と川を同時に楽しめる絶景ポイントです。
遊歩道は 1 時間ほどで周回でき、途中の “つつじ橋” は錦帯橋をモチーフにした木造アーチが美しいと評判です。
飯田線の秘境駅・天竜峡駅から徒歩 3 分というアクセスの良さも魅力で、列車の車窓から峡谷を眺める「秘境駅ツアー」も人気になっています。
木曽川が花崗岩を削って生んだ巨石テラス。エメラルドグリーンの流れと白い岩肌が際立ちます。
浦島太郎伝説の残る絶景
玉手箱を開けた浦島太郎が目覚めた場所と伝わり、川岸の臨川寺には玉手箱を模した厨子が奉納されています。
川面まで降りると、花崗岩の巨石が積み重なるダイナミックな景観を間近で体感できます。夏でも岩陰はひんやりとしており、天然の涼を感じられます。
JR 上松駅から徒歩 15 分と交通至便で、中央アルプス国定公園の玄関口としても人気です。開放感のある渓谷美はドライブの立ち寄りにも最適です。
春は新緑、秋は紅葉が岩肌に映え、四季それぞれの表情が楽しめます。岩場は滑りやすいので、歩きやすい靴で訪れると安心です。
標高差 466 m を 7 分で一気に登る空中散歩。山頂の坪庭は溶岩庭園と高山植物の宝庫です。
四季折々の坪庭ハイキング
山頂駅から周回 40 分の散策路では、夏はチングルマやイワカガミなど可憐な花々、秋はナナカマドの紅葉が楽しめます。
冬は坪庭が一面のスノーフィールドに変わり、スノーシューで“スノーモンスター”と呼ばれる樹氷を観察できます。
ゴンドラは大型 100 人乗りで揺れが少なく、標高 2,300 m から望む中央アルプスと北アルプスの大パノラマは圧巻です。
山麓駅の売店ではコケモモソフトや高山ハチミツが人気で、登山の行き帰りに立ち寄るハイカーが多いです。
標高 2,000 m の溶岩台地に広がる牧歌的高原。360°パノラマと放牧牛が“天空牧場”の名にふさわしい風景です。
美しの塔に響く霧鐘
霧が深い日に遭難を防ぐために建てられた美しの塔。訪れた人は安全祈願で鐘を鳴らし、美ヶ原の思い出にします。
遊歩道「アルプス展望コース」は約 3 km。北・中央・南アルプス、八ヶ岳、富士山まで一望でき、朝夕の雲海も高確率で出現します。
山頂の美ヶ原高原美術館は屋外彫刻が 350 点以上展示される“空飛ぶミュージアム”。作品越しに見えるアルプスが贅沢な額縁となります。
王ヶ頭ホテルは雲海発生率 40%超で有名です。満天の星と雲海が交差する夜明けの瞬間は、一生に一度は見たい絶景と言われています。